“地獄の秋”を予告「キャンプから厳しくなる」 秋季練習後の藤本監督の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

「打撃の量も増えるし、守備の量も増えるし、ヘトヘトになって試合に行くのもいい」

 ソフトバンクは1日、本拠地PayPayドームで秋季練習を行った。3日からは宮崎で秋季キャンプがスタートするため、秋季練習はこの日が最終日に。指揮官は就任が発表された斉藤和巳1軍投手コーチへの期待や、秋季キャンプでの方針などについて語った。

――秋季練習は今日が最終日。
「キャンプ行くまでのね、キャンプから厳しくなると思うんで、ある程度、フェニックス行ってるメンバーもいるし、練習ってこれぐらいしかできないですからね」

――去年は面談もやっていましたが。
「(今年は)やってないよ。何人かはやったけど、もうその予定はないですよ。キャンプでも特にはないです」

――キャンプまでの準備というところでの秋季練習。新任コーチも来て気持ち新た。
「今もうこっちに来てるメンバーは配置転換とかですけど、新しく入るのは斉藤和巳だけだからね。その辺は最初は、試合は解説とかもうずっと見てるから、ほぼ選手分かっていると思うし、その中でこの間も言ったように厳しさをどんどん入れていってくれと、甘やかさないようにっていうのは言ってますけどね」

――公私で甘やかさない。
「プライベートはいいでしょうけど、ユニホーム着たら厳しくいきましょうということですね。元々、現役時代から、僕も何年か一緒だったけど、入ったときは和巳もストライクもうほとんど入らない状態で、そういう人が努力を重ねてあれだけのピッチャーになったわけだから。沢村賞2回取るようなピッチャーになったわけだから、そういう精神論とか技術、自分はこうやってやってきたよっていうのを注入してくれたらいいんじゃないかなと思います」

――リハビリ担当コーチもやっていて体のケアの面でも。
「怪我した人間とかでも、怪我しないように、怪我上がりの選手とか、特にやりやすいんじゃないかなと思いますけどね」

――城島さんは秋は来られないんですか。
「聞いてないね」

――斉藤和巳さんは解説者時代もありましたし、若い選手も含めて見ている。
「来ていきなり指導するというより、やっぱり最初は見た方がいいんじゃないかなと思います。まだコーチ経験もないしね。これからだと思うし、外から見てどう思ったというところと、中でやっていることっていうのもまた違うと思う。その辺は最初はちょっと見るっていう感じがいいんじゃないかなとは思いますけどね」

――存在がいるだけで厳しさが出てくる。
「おそらくタラタラしてたら、すぐ言うてくれるだろうし。そういうところの厳しさってのはあるじゃないかな」

――練習試合が1試合入ってましたけど、紅白戦は。
「やらないですよ。ひたすら打つだけ、守るだけ。秋のキャンプで紅白戦なんかしないでしょ、普通」

――13日の練習試合は。
「巨人の原さんから試合やってくれないかって来た。こっちからお願いしたわけじゃないよ」

――キャンプでしっかりと鍛えたところを見せる場に。
「バッティングの量も増えるし、守備の量も増えるし、ヘトヘトになって試合に行くのもいいんじゃないかなと思って。紅白戦しないんですかって、秋に紅白戦って聞いたことないよ。秋のキャンプで紅白戦なんてしないですよ。少人数制やから、オフの選手もいるからできないですよね。秋のキャンプで紅白戦って、現役で17年やって、コーチ14年やって初めて聞いた」

――筋トレや走るとかいうよりは打つ、守る。
「実技ですね。ピッチャーはどうしても下半身強化とか体力強化になるやろうけど、野手で言うたら、もうどっちか言うたら、自分の経験やけど、秋のキャンプが一番しんどいって。ランニングより実技のしんどさ、量をやってというのが自分の経験では感じてますけどね」

――その中でチームバッティングも。
「そうですね」

――日の出から日の入りまで練習?
「それはわかんないですよ。そんな時間決めてやるわけじゃないし、選手が納得したら帰ればいいんですよ。全員が全員、特打ちできるわけないんやから。その日何もない人もいる。何もなかったら自分でやれることはなんぼでもある。マシンもあるし、できるわけやから。例えば10人おったら、この2人は打撃強化やなとか、この2人は守備強化やなとか、いろいろありますよね」

――去年なら野村大樹選手が守備に特化していた。
「野手が14、5人おって、やっぱり全部が全部(コーチが)引っ張れるわけないんだから。コーチも選手より少ないわけだから、そこは今日何も引っ張られてないなと思ったら、自分でやることをやって帰ったらいいんじゃないですか」

――首脳陣から与えられていないときにどうするか。
「そういうのが大事だと思います。長谷川コーチとも去年ずっと話し合ってて、全体練習終わって、特打も特守もあって、最後みんなで室内に打ちに行きますよね。そこは選手の自主練習、反復練習の時間にしようということで、コーチがつかないようにしたんです。帰るわけじゃないけど、遠目で見て、やっているなとか、ちょっと間違ったことやってるなっていうのは、次の日に『昨日最後ちょっと間違ってることしてたよ』とかそういうものを伝えていってあげたら、選手もやりやすいんじゃないかな」

「ずっと朝から晩まで、俺が一緒におったら嫌がるやんか。自分でやりたいことあるんだけど、それを後ろからジッと見られていたら、やろうと思ってもできないじゃない。やっぱり自分でやりたいこともあるし、さっき言ったチームバッティングとかもいろんなやり方があるわけ。これが正解というのはないわけだよね。その確率を上げてくれたらいいわけやから、自分でこうやってみようかな、ああやってみようかなというのを、右打ちなんかでもエンドランでもやっていたら、遠目で見ていても練習しているのは分かるじゃないですか。僕らはこういうやり方、あるいはこういうやり方、いろんなやり方あるよってことだから。選手が一番確率が上がるようにやってくれたらいいわけだから」

「あくまでチームバッティングってチームのためにやることだからね。自分が犠牲になってもランナーを進めるとか、自分が犠牲になっても打点1を稼ぐとか、それが一番大事なところだと思うんでね、そこはしっかり反復練習の時間も当然与えないといけないと思うし、とことんやりますよって言うても、たまに抜き日も入れてやらないと、体が悲鳴を上げますから、そういうのもコーチにいろいろ考えて練習内容やってくださいっていうのをお願いしています」

――監督もノックやりますか。
「いや、やってくれって言うならやるけど、なんも言うてこないもん。なんか俺にやらさないでおこうとするからさ。バッティングコーチの時は投げてくれ、投げてくれって言ってたのに。いや、そりゃそうよね。秋山さんに投げてくれとか、工藤監督に投げてくれ、なんてなかなか言えないもんね。みんな気遣ってくれてる。どんどん腹が出てくるわ」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)