接戦制すも、5回まで零封に「恥ずかしいですよ」 小久保2軍監督の一問一答全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:藤浦一都】

スチュワートが1失点好投も「今のままやったら投資は赤字」

 ソフトバンクの2軍は15日、宮崎県内で行われている秋季教育リーグ「第19回みやざきフェニックス・リーグ」でロッテと戦い、2-1で接戦を制した。打線は5回まで佐藤奨の前にゼロ行進が続いたが、1点ビハインドの6回無死満塁で野村大の併殺の間に同点に。1-1で迎えた9回に増田が右中間を破る適時三塁打を放って勝ち越した。

 投げては、先発のスチュワート・ジュニアが4回を投げて1失点と好投。2番手の高橋礼が3回無失点で、秋吉、笠谷も無失点リレーで繋いだ。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答全文は以下の通り。

――接戦を制しましたが、バントミスなども目立った。
「そうね、バントミスはセーフティのサインを緒方監督が出したんで、あれなんだけど、それよりも今日のテーマが低めの見極め、引っ掛けさせられないように、だったんですけど、誰がそれを表現できたんですかって。あのピッチャーに言葉は悪いけど、5回までゼロで抑えられてるって恥ずかしいですよ。ちょっと申し訳ないけど。2ストライク後の対応、それまでは普通に打ちに行って、対応的にはやっぱり低めのチェンジアップ、フォーク、スライダーは入ってくるからあれなんで、それを引っ掛けさせられないように、九鬼、小林珠維、ジェシー(水谷)、あのイニング3者三振、同じスイング、恥ずかしいですよね」

「真っ直ぐが着払いみたいな感じでとかならまだ分かるんですけど、やろうとしてます、で終わったら多分もう成長ないんで。やろうとしているのを、ここで表現できなかったら、やろうとしてるって思うだけじゃダメですよという話は、今日バッティングコーチもしていたんで。バッティングコーチは選手には強めに言ってましたけどね。技術がないから、ここにいるんですって言われたら、それで終わりなんですけど、でも、やろうと思ってるんですで終わったら、それでも終わりなんで。やろうと思ってることをいかに表現するか、ということですから。その辺の同じようなやられ方っていうのは、やっぱり気になるところではありますね」

「このピッチャーならしょうがないなっていうのはありますよ。真っ直ぐビシバシ、今日のカーターとか高橋礼とか笠谷クラスがイースタンのチームに投げたら、なかなかちゃんと当たらない、それはちょっとしょうがないかな、あの真っ直ぐは2軍じゃ厳しいかなとかっていう話はわかるんですけど、全然そうじゃないんで。その辺はやっぱり野手の中で、やっぱり野村大樹、増田、そのぐらいはもう普通に真っ直ぐ待ってて普通に打ってるじゃないですか。あのぐらいが普通の1軍の可能性があるヤツなんだろうなっていうふうに、その差がちょっと大きすぎるかなと感じた試合でしたね」

――ノーアウト満塁というチャンスも併殺での1点だけ。
「あれはね、我々の中では内野ゴロのゲッツーでもいいから、三振が一番ダメだっていう方針でやっているんで。結果ゲッツーで1点入って同点になったんで、それはそんなに悪いことじゃないです。一番ダメなのは三振。大樹がバットに当てたんで、やっぱりゲッツーでもいいから同点に追いつかないと。あれ先頭バッターを切られたら、次なかなか流れ的に厳しいんですよ。それはそれで悪いことじゃない。逆に最低限、とにかくバットに当てたっていうのは良かったと思うんですよね」

――最終回は、1軍でも投げている種市投手でした。そこで最後1点取れたことが大きい。
「そうですね、先頭あんな形で出て、緒方監督が送りバントを高田先輩に出して、1球で決めて、珠が変化球、あのフォークありながらの真っ直ぐ対応で間に合って、1点だったですね。本来であれば、監督賞ものの一打だったと思います」

――監督賞はフェニックス・リーグではない。
「監督によっては(監督賞)出すって言っていたやつもいますけど、その時は負けていたんで。仲田監督の時ね。それはアイツのポケットマネーから出るはずだと思いますよ(笑い)」

――スチュワート投手、高橋礼投手、笠谷投手は好投。特に高橋礼投手は完璧。
「そうね、もう見下して投げていましたね。カーターは変化球を低く、というのが課題なんで、もうコントロールですから。そこそこ、カーブがストライク入ったら、たぶん1軍で十分通用しますんで。そこにならない限りは、クイックもできるようなってきたしね、来年に向けて強い気持ちで、ローテーションに入るんだっていうような、これから先の来年の2月までの時間の使い方をしてほしいなと思って。『絶対に来年はもうローテーション入る』という思いでやるっていうね」

――外国人選手はモチベーションの持っていき方も難しい。
「複数年やったら、そらモチベーションのこともあるだろうけど、そんなクビかもしれなかったら、モチベーションとか言ってられへん。やるしかない。契約の細かい内容は知らんけど、今のままやったら投資は赤字なんで。1億貰ってるんやで。普通に考えて、もう5年目でしょ。戦力にならないと。誰が2軍の選手で、ここにおる選手で1億も貰ってる? 誰もおれへん」

――笠谷投手は南郷でも投げて三振も取れている。
「あのクラスは打ち取ります。当たり前です。先頭バッターを2ストライク追い込んで、外の甘い真っすぐ見逃してくれる1軍選手どこにいるんですか。打たれることはないでしょう、普通に投げておけば。そんなんで満足しないでしょう、彼も。当たり前だと思っているはずですよ」

――緒方監督はどうでしたか
「決断早かったし、このカウントとこのカウントはエンドランでお願いします、とか、結構スパスパスパって来てましたよね。先読みはできていたと思います」

――仲田選手は「監督はこんなに先読みしていたんだ」と。
「内野の中で(緒方が)リーダーしているときに、守備が結構、最後バタバタしたじゃないですか、一昨日か。あの時、多分、仲田が内野手のリーダーだったら、何1つ指示できてなかったっていう答えなんで。しょうがないですよ、外野しかしてないんで。覚えていけばいいんで。だから視野を広げるというのが一番の大きな目的でもあるんで」

「自分のプレーだけというところから、少しでも視野が広がることによって(川原田)純平とかは自分が勝手にアウトやと思って帰ってきたりとか、もうあり得ないんですよ。ショートとして、もの凄く一番不安なのは、彼のそういう周りの視野の狭さっていうのは、ものすごく気になる。サードの野村大樹のサードフライ、声がかぶったけど、ショートフライなんすよ。だから、もう(川原田)純平は技術以上に、ちょっと心配です、今年1年やってみて」

「あのタイプの選手で、あそこまで野球を知らない、あそこまで周りが見えてないのかっていう点では、やることがいっぱいあります。僕が青学の20歳のとき、そこまでできたかと言えば、多分出来ていないんで、それは別に今できないのはしょうがないと思うんですけど、それを広げていくのが我々の仕事なんで、視野を広げるという点での取り組みは当然するし、気づいたことを彼らに発見させて、話させたりとかっていうこともしてるんで、時間がかかってもやっていくしかないんでね」

――では、また川原田選手には監督や内野のリーダーを。
「やれることはどんどんやりますよ。技術練習は秋のキャンプでやれるんで、ゲームが動いてるときにやれることは最大限考えてやっていきます」

――明日の監督は?
「明日はジェシー(水谷)やったと思います。それもちょっとコーチがスタメン組んでいるかで、使わない選手で考えてもらっているんで。たぶんジェシーだったと思います」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)