6回は大関、8回は6点差でも藤井を投入 鷹・藤本監督が繰り出した継投の狙い

6回は森、山川、オグレディと左打者と右打者が交互に並ぶ巡りだった

 これまで6回は泉や嘉弥真らが担ってきたが、この日は意外にも大関がマウンドへ。西武打線は森、山川、オグレディと強打者が続き、しかも左、右、左と左右が交互に巡ってくる打順だった。森に嘉弥真をぶつけても、1人で交代、さらにまた左打者がやってくる。そんな巡りもあり「左バッター、右バッター関係なく使える」という左腕を投入した。

 大関が7回先頭で迎えた左の栗山までをきっちり抑えると、そこからはセットアッパーの松本にスイッチ。松本もしっかりと役割を果たすと、6点差に広がったにも関わらず、8回には藤井を送った。今月1日に敵地で行われた西武戦で延長11回にサヨナラ被弾を山川に浴びていた右腕にとって、その時以来の登板だった。

 点差がありながらも藤井を投入した意図を藤本監督はこう語る。「前回やられたままで終わっているんで、1回投げさせたいというのがあった。この前打たれたのも山川くんを褒めるべきだと思うし、次の日も4連投させてくださいと言うくらい、気持ちを持った人間だから、とりあえず1試合投げてオリックスに行こうということで。準備運動ですね」。試合で投げさせて気持ちを切り替えさせ、オリックス戦に臨ませたい。そんな親心でもあった。

 2連勝という理想的な形でファイナルステージ進出を決めたソフトバンク。2日間、日程が空くことでリリーフ陣も体を休めることができる。レギュラーシーズンの最後の最後で苦渋を舐めさせられたオリックスとのリベンジマッチ。総力を結集して、クライマックスシリーズ突破を狙う。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)