「チームを勝たせてくれた」決勝打の今宮健太が絶賛していた“もう1人のMVP”

ソフトバンク・今宮健太【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・今宮健太【写真:藤浦一都】

足でもぎ取った先制点に「あの1点がなければ正直わからなかった」

 26日に本拠地・PayPayドームで行われたロッテ戦に2-1で競り勝ち、優勝へのマジックを「4」に減らしたソフトバンク。レギュラーシーズンの本拠地最終戦で、1-1の8回に値千金の勝ち越し打を放ったのが選手会長の今宮健太内野手だった。文句なしのこの日のヒーローだったが、その今宮が絶賛した選手がいた。

 同点で迎えた8回。ソフトバンクはロッテの3番手・東條から柳田、デスパイネの連打で1死一、二塁のチャンスを作った。中村晃が三振に倒れて2死に。ここで打席に立った今宮は3球目のストレートをセンターに弾き返し、二塁走者の柳田悠岐が激走。ヘッドスライディングでホームに還り、これが決勝点となった。

「もう思い切っていくしかない、初球から行こうという強い気持ちを持って打席に入りました。結果的にはいい打球のヒットではなかったですが、気持ちで打った1本かなと思います」と振り返った今宮。東條といえば、曲がりの大きいスライダーを得意する投手。「スライダーの曲がりやキレがすごく良い投手であることはわかっていたので『あ~だ、こ~だ考えずに来た球を振り抜いてやろう』と思っていました。詰まって良かったです」。2ボールの後のインコースのストレートを打ち返した。

 間違いなく、今宮がヒーローであることは間違いない。それでも選手会長は「三森や(周東)佑京、マッキー(牧原大成)が1球でも多く投げさせて泥臭く先制点が取れたということが大きかったと思います」と全員で勝ち取った勝利だと強調する。その中でも今宮が称えたのが、5回に二盗、三盗を決めて相手のバッテリーエラーを見逃すことなく先制のホーム踏んだ三森大貴内野手だった。

「佐々木朗希君が先発で大量得点というところはなかなか(難しい)と、チームとしても分かっていました。何とか1点を取って、点を積み重ねてというところで三森が盗塁、三盗を決めて、相手のミスで1点というのは非常に大きかったですね。あの1点がなければ正直わからなかったと思うので、三森がチームを勝たせてくれたと思います」

 優勝マジック4で残りは敵地で5試合。「普段どおりが一番難しいかもしれないですが、チーム一丸となって1試合1試合に一喜一憂してもいいかなと思います」という今宮は「優勝が(福岡のファンへの)一番のお土産になる」という気持ちをもって、27日からのビジター戦に挑んでいく。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)