首位攻防戦で4打数4安打の大暴れ 「火がついた」牧原大成が発奮した“ファンの声”

ソフトバンク・牧原大成【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・牧原大成【写真:藤浦一都】

「『筑後ホークスの方が良かったんじゃないの』とか書いてあるのを見て」

■ソフトバンク 6ー1 西武(14日・PayPayドーム)

 14日に本拠地PayPayドームで行われた西武戦に快勝したソフトバンク。首位攻防3連戦3連勝を導いた1人が、この日「6番・中堅」でスタメン出場した牧原大成内野手だった。初回のタイムリーを含む4打数4安打1打点2得点の大暴れ。さらに2盗塁やセンターフライでの一塁からのタッチアップなど、縦横無尽にグラウンドを駆け巡った。

 シーズン当初からスタメン、代打とマルチに活躍し、藤本博史監督から「ジョーカー」と呼ばれてきた牧原大だが、今やラインナップから外せないレギュラーへと成長した。打撃好調の中、新型コロナウイルス陽性判定のために、8月21日に登録抹消となり一時、戦線を離脱。9月6日に1軍に復帰したが、復帰直後の楽天3連戦では10打数2安打と、打撃の調子は思わしくなかった。

「自分の状態も良くない中で戻ってきて『結果を出さないといけない』と思っていたけど、気持ちだけそう思っても焦るだけ。逆に開き直って『(結果が出なくても)使っている方が(悪い)』という風に思って、思い切ってやろうと考えました」と牧原大。この割り切りがこの日の活躍には「感覚が戻ってきているのかなと思う。今は焦りもなくなってきた」とコロナ離脱前の状態に近づきつつあるという。

 チームを離脱していた間に若手たちが活躍。「若い選手ががんばってくれたおかげでこの位置がある。1試合1試合大事に戦っていきたい」と感謝をしつつ、発奮させられることも。「ファンの方の掲示板とかで『筑後ホークスの方が良かったんじゃないの』とか書いてあるのを見て、ちょっと火がつきましたね」と苦笑いで明かした。

 目標に掲げてきた初のシーズン100安打もすでに達成し、この日の4安打で107安打となり「最後までヒットを積み上げたい」と意気込む。過酷な11連戦はまだ続く。これまで何度も優勝争いを経験してきた牧原大でさえ「日本シリーズよりも緊張感があります。今までにない混戦で1試合1試合すごい緊張感がありますし、その中でやって結果を出してこそ達成感が味わえると思います。この緊張感はきっと自分の財産になっていくと思います」という。稀にみる大混戦の中でのプレーを、自らの成長に繋げていこうとしている。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)