小久保2軍監督も目を細める松田宣浩の姿勢 ファーム降格で密かに抱いた“心苦しさ”

ソフトバンク・松田宣浩【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・松田宣浩【写真:上杉あずさ】

「若手の出場機会を奪うことに対しての気遣いというか、心苦しさみたいなのがあった」

 ソフトバンクの松田宣浩内野手が13日から2軍に合流し、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの広島戦に出場した。4回の第3打席で右前への適時打を放ち、この日は3打数1安打。5回の守備でベンチへと退いたものの、その後も若鷹たちと一緒になってベンチで声を張り上げ、変わらぬムードメーカーぶりを発揮していた。

 第1打席は遊直、第2打席は二飛に倒れて迎えた第3打席。3点リードした4回2死二塁で打席に立つと、1ボールからの2球目を右前へ。決して会心の当たりではなかったものの、この日の5点目を生む適時打を放った。

 プレー面以外でも存在感は相変わらず際立っていた。若手に混じってのプレーでもその元気さは変わらず。人一倍、声を張り上げ、最前列に出てチームを鼓舞した。その姿は1軍にいる時と何ら変わりなし。小久保裕紀2軍監督も「優勝争いしてる中でここにいるっていうのは本意じゃないでしょうけど、そういうのを抜きにプレーできるのは彼の良さだとは思う。全然変わらない姿で、相変わらずベンチが元気な、若い選手もつられて声を出すみたいな感じでした」と姿勢に目を細めた。

 とはいえ、若手の育成の場であるファームの試合に出場することに、少なからず心苦しさも抱えている。松田と話し合いの場を持った小久保2軍監督はこう内容を明かす。

「要望ですね。打席数をどれぐらい欲しいかとかって話もしながら。あとはやっぱり彼の年齢でここにいるっていう中で、若手の出場機会を奪うことに対しての気遣いというか、心苦しさみたいなのが彼の方からあった」

 39歳のベテランである自分が、未来ある若手の出場機会を奪ってもいいものか。そこを気にしていたと小久保2軍監督は言う。指揮官が提案したのは「スタメンで出た試合は3打席は与える、その代わり1打席は若いヤツに譲ってくれ」というもの。松田自身も話し合いを経て気持ちに整理をつけたようで、小久保2軍監督も「限られた中で状態を上げてもらえるようにという話をしました」と語った。

 今後は2軍戦に出場していきながら、打撃の状態を上げていくことになる。1軍では代打での起用も見込まれることから、ガルビスと共に、スタメン出場して打席に立つ試合と代打の備えを行う試合に分けて出場していく。「ファームの試合にしっかり出て、終盤またその後のクライマックスシリーズを含めたところで、という話は上からあるんで。代打でのスタンバイもさせながら、というふうにしてこちら側は使っていこうと思っています」と小久保2軍監督。2軍でも変わらず元気な大べテラン。最終盤、そしてポストシーズンでチームの力になるべく、ファームで状態を上げていく。

(鷹フル編集部)