お立ち台前にSNS投稿の舞台裏 鷹・又吉の“広報活動”への想いと野球に向き合う姿勢

ソフトバンク・又吉克樹【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・又吉克樹【写真:藤浦一都】

自身へのプレッシャーに「やるためには1軍にいないといけない」

 自身の“広報活動”について「球場に来られなかったファンの方に喜んでもらえるようにやっていきたい」と、その意図を語る又吉。とは言え「ただ本業はそこではない」というのも本音。あくまでも野球をきっちりやって結果を出した上での“副業”なだけに「やるためには1軍にいないといけないので、そういう意味では自分にもプレッシャーをかけながらやりたいなと思います」と胸の内を明かす。

 この日の投球も「納得はいっていない。今日の打球も絶対にやっちゃいけないことが起きている」と反省が口を突く。先頭のオグレディに四球。山川は空振り三振に仕留めたものの、続く外崎には左翼フェンスギリギリまで飛ばされる左飛を打たれた。グラシアルのジャンピングキャッチ、オグレディの“ベース踏み忘れ”で併殺なって事なきをえたが、又吉は「結果ゼロなだけ」と自身に厳しく言った。

「結果ゼロだったから良かった、ではなく、なぜそうなったのか、準備が足りなかったのか、想定が足りなかったのか、練習の仕方も違ったのかな、と、そういうことも含めて考え直して明日の練習からやっていきたいと思います。喜ぶのは全部終わってから喜びたいなと思います」

 思えばキャンプ中から1球1球に対するこだわりの強さを感じた。ブルペンでは1球ごとにコースはもちろん、ボールの変化のさせ方、ボールの意図を事細かに捕手に伝えて投じていた。日々の投球も徹底的にこだわり抜く姿勢を感じさせる又吉。ファンを喜ばせる“広報活動”の裏には、こうしたストイックに野球と向き合う姿も隠されている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)