高卒2年目の石見&木下…中村晃の存在に「ありがたいです」
中村晃内野手から、全く同じ“金言”を授かった。伝えられたのはプロとしての大切なあり方だ。「本当にありがたいです」。声をそろえて感謝を口にしたのは、高卒2年目の石見颯真内野手と育成の木下勇人外野手だ。
石見は2024年ドラフト5位で愛工大名電高から入団。昨季はウエスタン・リーグで43試合に出場して打率.264と、才能の一端を確かに示していた。しかし、右膝痛のため10月以降はリハビリ組に合流。少しずつ痛みは引き、今はタマスタ筑後で春季キャンプを過ごしている。「練習に若干の制限はありますけど、ほとんどできていますし大丈夫です」。いち早く復帰するため、精力的に日々を送っているところだ。
高卒2年目の19歳と、チームを支えてきた背番号7。接点はないように思えるが、石見は「晃さんの方からインスタグラムもフォローしていただきました。すごく優しい先輩です」と笑顔で明かす。助言をもらったのは、自主トレ期間中の出来事。プロとしての基本を指摘され、あらためて背筋が伸びた。
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続きの内容は
中村晃の助言「もったいないよ」の真意とは?
リハビリ中の石見&木下…具体的な復帰時期
今宮健太から「ツンツン」…先輩に愛される石見颯真の魅力
練習で怪我するのが一番もったいないよ」
「ウエート場で話をしている時に『そういえば(打撃練習中に)レガースは付けていないの? 練習で怪我をするのが一番もったいないよ』って言われました。ファウルチップで怪我をしたり、自打球の可能性もあるじゃないですか。自分はよく話をさせてもらいますけど、めちゃくちゃよく見てくださっているんだなと思いました」
昨シーズン、柳田悠岐外野手が自打球で右脛骨の骨挫傷を負い、約4か月の長期離脱を経験した。アピールが必要な立場の石見にとって、故障はマイナスでしかない。それが練習中なら、なおさらだ。「シーズン中は防具をつけていたんですけど、リハビリ明けで思い切り振るわけでもない。『時間も短いし……』と思って外していたんですけど、晃さんは細かいところに対する捉え方がすごくて、徹底されているんだなと思いました」。石見にとって重要な学びを得た言葉となった。
今季プロ19年目を迎えたベテラン。中村晃が高校2年生だった2006年に石見は生まれた。「僕が1歳か2歳の時にはプロ野球に入られているので。年は離れていますけど、すごくフレンドリーに話してくれますし、それは(今宮)健太さんも同じです。自分が年下ですけど、あっちからちょっとツンツンってしてくれたり(笑)」。後輩として愛されるのも魅力の1つ。リハビリという単調な日々の中、刺激を与えてくれたS組の先輩たちには感謝しかない。
「最初はキャンプも宮崎に行きたいなと思っていたんですけど、無理をしてシーズンに響くくらいならこっちでやってもいいと話し合いました。それは自分で決めたことなので。逆によくS組の方と一緒に練習させてもらえるので、前向きに捉えながら。晃さんや健太さんの練習を本当に間近で見たり聞けたりするので。良かったのかなと思ってます」
育成の木下は「あまり関わりがなかったのに…」
育成の木下は沖縄出身。千葉経大付高から育成11位でホークスに入団した右投げ左打ちの外野手だ。同学年の石見と同じく、中村晃から「そんなところで怪我をしたらどうするの? もったいないよ」と指摘をもらった。「本当に、急に言われました。それまでも優しいイメージだったんですけど、あまり関わりもなかったのにそういうことを言っていただいて、すごくいい人だなと。確かに練習中に当たったら大変ですし、そこから付けるようにしました」。
昨年の4月に左膝を痛めて以降、長いリハビリ生活を送っている木下。「気持ちも落ちたり上がったり……。そういうのを繰り返しているので、キツかったですね。こんな経験は野球人生でも初めてなので」。自らに対する焦りや苛立ちから、なかなか眠りに就けない日々もあった。俊足が持ち味なだけに、フルスロットルで走れないことが何よりももどかしかった。現在、練習で制限をかけているのは外野ノックだけ。ようやく復帰が見え始めたところだ。
「早く思い切り走りたいです」。木下がそう言えば、石見も「治らない怪我じゃないですし、復帰も近いと言われています」と頷いた。タマスタ筑後でリハビリする中村晃。「いい選手が多いですよ」と語るのは、きっと偽りのない本音だ。
(竹村岳 / Gaku Takemura)