川瀬晃が明かした本音「言ってないだけで…」 名前上がらぬ正遊撃手争い…正直な胸の内

レギュラー取りに闘志を燃やす川瀬晃【写真:加治屋友輝】
レギュラー取りに闘志を燃やす川瀬晃【写真:加治屋友輝】

名前が挙がらない悔しさ「そろそろ開幕スタメンに名乗り出るくらいの結果を」

 多くは語らずとも、虎視眈々とその座を狙っている。宮崎春季キャンプは第4クールに突入し、早くも中盤に差し掛かった。正遊撃手の座を巡る争いは、日に日に熱を帯びている。実績十分の今宮健太内野手と、昨季一気にブレークした野村勇内野手。作り上げられた“一騎打ち”の構図に「待った」をかける男がいる。昨季、何度もホークスを逆境から救い出してきた川瀬晃内野手だ。

 昨季は単独最下位から浮上のきっかけとなったサヨナラ打や、クライマックスシリーズ(CS)最終戦での決勝打など、ここ一番での勝負強さを発揮。「スーパーサブ以上の代えの効かない存在」という評価を確立した。今キャンプでもその存在感は際立つ。S組で調整していた今宮が合流した第4クール初日の14日に行われた紅白戦でいきなり2安打。初の実戦でいきなり結果を残し、首脳陣にアピールした。

 小久保裕紀監督も「『俺をレギュラー候補から忘れてないか?』みたいな感じでしょうね。心強いです」と目を細める。指揮官の言葉通り、川瀬は「今宮対野村」という構図に、静かな闘志を燃やしている。その穏やかな表情の下には、プロ11年目を迎えた男の並々ならぬ決意が隠されている。川瀬は淡々と、胸に宿す“本音”を口にした。

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続きの内容は

争いの”蚊帳の外”で…川瀬が語った「正直な胸の内」
即座に結果へ直結 長谷川コーチと施した「ある修正」
「便利な男」で終われない…11年目の「並々ならぬ覚悟」

 静かに、しかし、力を込めて言い切った。

「言っていないだけで(ショートの座は)狙っています。自分の存在感を出せば見てくれる人は見てくれていると思いますから。それは去年、一昨年と色々なところで言われてきたので。そろそろ自分も開幕スタメンに名乗りをあげるくらいの結果を残さないといけないっていうのは思っているので。プレッシャーをかけながら、自分の中でもケツを叩いてやっていきたいなと思います」

 小久保ホークスにおいて、背番号0は不可欠なピースだ。遊撃だけでなく内野の全ポジションをハイレベルでこなす守備力に加え、バントなどの小技もお手のもの。ここ一番での勝負強さも兼ね備え、まさに代えの効かない存在と言える。とはいえ、いつまでも「スーパーサブ」に甘んじていようなどとは、本人は微塵も思っていない。

「色んなところを守れるところが僕の長所ですから。別にショートに限らずセカンドだったり、守備では勝負できると思っているので。あとは打撃のところでしっかりとアピールして存在感を出していけば、自ずと試合数も昨年より増えると思います」

 求められているのは打撃でのアピール。その自覚があるからこそ、オフは「力強い打球」をテーマに取り組んできた。第3クールのライブBP(打撃投手相手の実戦練習)では感覚にズレが生じていたが、すぐさま修正を図った。動作解析のフィードバックを踏まえて、長谷川勇也打撃コーチと構えた際の重心位置や体重移動を微調整。「見てもわからないぐらい感覚的な問題」というわずかな変化を、即座に結果へと結びつけた。

 2015年ドラフトで大分商から入団し、今年でプロ11年目。チーム内でも中堅の立ち位置となり、牽引役としての自覚も芽生える。このキャンプでも連日、グラウンドで大きな声を張り上げ、チームを鼓舞する姿がある。

「11年目で結果を残さないと(年齢が)下の選手が使われると思いますし、そういった中でのプレッシャーは自分でも感じている。自分でプレッシャーに負けないように。あとはもう誰よりも元気を出して、存在感をアピールするのは今年に限らずですけど、忘れないようにやっていきたい。それがキャンプだと思っているので」

 名前が挙がらずとも、見てくれている人は見てくれている――。そう信じて疑わない。「スーパーサブ」からレギュラーへ。自ら正遊撃手の座を奪いにいく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)