「C組ということは劣っている」 元ドラ1・村上泰斗が激白…2年目の“現状”に思うこと

村上泰斗【写真:竹村岳】
村上泰斗【写真:竹村岳】

タマスタ筑後のブルペン投球では149キロを計測

 思い描いていた理想とは違う現実。C組スタートという現在地を見つめ、静かに思いを語った。「これが評価だと思うので。受け止めないといけないです」。村上泰斗投手はタマスタ筑後でプロ入り2度目の春季キャンプを過ごしている。

 2024年のドラフト会議で1位指名を受け、神戸弘陵高から入団した。ルーキーイヤーだった昨年は非公式戦で5試合に登板して防御率9.00。5月に実戦デビューを果たすなど順調にステップを踏んでいたが、6月末に右肘と腰に炎症が見つかった。長いリハビリを終えて、今は万全の状態で開幕を目指している段階だ。「2月の最初に入ったブルペンでも149キロが出ました。ここからは1軍レベルというか、そう思ってもらえるところに持っていかないといけないです」と意気込みを語る。

 C組で春季キャンプを過ごしている支配下の投手は村上と、左肘痛から復帰したばかりの前田純投手の2人だけ。現在地をどのように受け止めているのか――。18歳の右腕は足元を見つめながら、悲壮な決意を打ち明けた。

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続きの内容は

受け止めた自らの現在地…その裏にある悲壮な覚悟とは
オリ・山岡が指摘…1軍で勝つために必要な「怖さ」の正体
「レベルが低い」…村上を変えた先輩たちの「会話」

「C組でやっている以上は劣っている」

「去年は右も左もわからなくて、“ただやっている”感じがあったんですけど。今年は上で投げないといけないですし、それしかないので。C組ということは(自分の力が)劣っているというか……。そういう評価は受け止めないといけない。自分がやることは決まっているので、それをしっかりと続けていきたいです」

 コーディネーターをはじめ、周囲は「今は焦る時期じゃないから気をつけて」と声をかけてくれる。その言葉に感謝しつつも、気遣いに甘えることは絶対にない。「最初は悔しかったんですけど、自分の去年の成績や体のことを考えると、こういう状況に置かれるのは仕方ないなと。より一層、やらないといけないです」。練習する姿を見ていても、ひたすら自身のメニューに没頭しているように見える。鍛錬を積むしかないことは、誰よりも深く理解している。

「怪我をしないことが一番なんですけど、1軍で投げることを目指していかないといけない。そこは今シーズン、絶対に達成しないといけない一番の目標だと思っています」

オリックス・山岡との自主トレ…テーマに掲げた“ギャップ”

 1月の自主トレでは大津亮介投手、木村光投手、大野稼頭央投手とともにオリックス・山岡泰輔投手に弟子入りした。当初は別の場所で練習する予定だったが、「それがなくなってしまって、光さんに相談したら『俺は山岡さんのところに行くけど、1回聞いてみようか?』って。そこから『いいよ』と言ってもらった感じです」。背番号68の先輩が“架け橋”となり、沖縄で約3週間を過ごした。助言を受けたのは、ピッチングにおいて“ギャップ”を見せることだ。

「一番言われたのは、体幹の安定性でした。1軍で先発として勝っていくためには『怖さのあるボールがいる』と。今の自分の球は“力感相応”というか。『スピードもあるし、いい球なんやけど、もう1つ怖さがいる』という話をしてもらって。それが何かと考えた時に『これくらいの勢いで、こんな球が来るのか』っていうギャップが必要と言われました」

 山岡を筆頭に、1軍の舞台で活躍する先輩たち。今の村上にとっては、自然と会話のレベルも高く聞こえた。「(今シーズン)光さんは1軍で40試合登板、大津さんは2桁勝ちたいと言っていました。そんな言葉が当たり前に飛び交う自主トレだったので。そういう環境に置かれた中で、自分は『ただ1軍で投げたい』っていうのは、まだまだこの世界ではレベルが低いんだなと」。数々のアドバイスのおかげで、進みたい道筋は明確になった。チャンスを狙いながら、今は自分のトレーニングに集中していく。

「僕が一番年下だったんですけど、楽しかったです。意識や変化球についての意見交換もできて、話をする機会をいっぱいもらえました。他の人のところで自主トレをするのは初めてでしたけど、そういう雰囲気でできたのはすごくよかったです」。1軍枠をかけた競争に、自分も飛び込んでいきたい。村上の目線は前だけを向いていた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)