14日から宮崎のチーム本隊に合流へ
いよいよ、競争の輪に飛び込んでいく。プロ17年目、自らに言い聞かせる言葉は「結果しかないので」。今宮健太内野手が12日、タマスタ筑後での春季キャンプを打ち上げた。14日から宮崎・生目の杜運動公園のチーム本隊に合流する。
2025年は46試合に出場して打率.255、2本塁打、12打点。史上初となる「通算100本塁打&400犠打」を達成したが、「チームのために何もできなかった。振り返りたくないくらい、悔しいシーズンでした」とキッパリ言い切った。度重なる故障に悩まされ、3度の登録抹消を経験。オフには小久保裕紀監督からコンバートを通達され、二塁や三塁も守れるように準備を進めてきた。
1月の自主トレ公開では「プロに入って初めてというくらい、慎重にやっています。もう『怪我したら終わり』だと思っているので」と語っていた。離脱だけは絶対に避けなければならない。タマスタ筑後の春季キャンプでも、1つ1つのプレーをより丁寧にこなしているように見えた。継続してきた慎重な調整について、「難しいところはありますよ」と、宮崎入りを目前にして今抱く“本音”を打ち明けた。
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続きの内容は
宮崎での練習強度アップに潜む「ショート崩壊」の危機
35歳を迎える今宮を突き動かす「じゃあ何で抜け出すのか」の真意
大越3軍監督が明かす「ホークスが強い理由」と中村晃の献身
「ショートとして動けるところは見せないといけない」
「宮崎に行ったらもう慎重とか言っていられないので。どう転ぶのか。あっちに行って、少し気持ちが入ってプレーするようになって、そこで耐えられたら大丈夫かなと思いますし。慎重になりすぎていたぶん、少し強度が上がった時に……っていうのもありますね」
2月1日からユニホームを着て練習してきたが、宮崎では当然、空気も一変する。小久保監督をはじめとした首脳陣の目があり、野村勇内野手や川瀬晃内野手といったライバルも隣にいる。「だから力むと思います。いいところを見せようとかは、特に思っていないんですけど、動けるところは見せないと。『あれ、ショートとしてはもしかしたら……(厳しいかもしれない)』と思われたら終わりなので」。強度を上げながら、慎重さも忘れてはいけない。“ギリギリ”のラインを見極めながら、2月を過ごしていくことになる。
「怪我してしまったら競争にも入れない。そこは考えますよね。若い時は『当たって砕けろ精神』でいけましたけど、去年それで失敗していますし、その前にも失敗して長期離脱してしまっているので。まずはしっかりと野球ができるように。そう思ってやってきたつもりですけど、14日からはヨーイドンになるので。正直、先のことはわからないです」
怪我さえしなければ、まだまだ第一線で戦える――。そんな自信が言葉の節々から伝わってくるが、今宮は首を横に振った。「勇を筆頭にたくさんのライバルがいますからね。年齢を考えれば、若い選手が結果を残せばそっちを使うし、自分でもきっとそうします」。7月には35歳を迎え、ベテランと呼ばれる領域になろうとしている。「じゃあ、何で抜け出さないといけないのか。結果で見せていくしかないですよ」。生き残る方法は1つだけ。17回目の球春に、並々ならぬ決意を胸に飛び込んでいく。
大越基3軍監督から感謝の言葉…若手に見せた“生きる教材”
12日、タマスタ筑後での調整を終えた今宮と柳田悠岐外野手に声をかけたのは大越基3軍監督だった。「若い選手と接してくれてありがとう」。宇野真仁朗内野手や石見颯真内野手とともにノックを受けていた背番号6。後輩に惜しみなく助言を送る姿は、まさに“生きる教材”だった。若鷹を預かる指揮官は、純粋な感謝の思いを口にした。
「リハビリの集合でも、いつも一番に来ているのは中村晃ですよ。柳田や今宮も『若い選手と一緒にやって刺激になりました』って言ってくれる。だからホークスは強いし、応援したくなるんですかね。選手に対して自分が1つ言うのと、偉大な現役の先輩たちが1つ言うのとでは与える影響が全然違う。自分も2週間でいろんなことを学ばせてもらいましたし、そのお礼もあって『ありがとう』って伝えました」
背中を押され、福岡を後にした。開幕まで残り1か月半。プライドを胸に、もう1度遊撃のポジションを勝ち取ってみせる。「やるしかないので」――。今宮健太の“生き様”から、目を離してはいけない。
(竹村岳 / Gaku Takemura)