「まだ期待されている」 谷川原健太を救った一言…失意で受け取った首脳陣の”愛情”

  • 記者:竹村岳
    2026.01.09
  • 1軍
自主トレを公開した谷川原健太【写真:竹村岳】
自主トレを公開した谷川原健太【写真:竹村岳】

3月28日の開幕戦…チームは大敗「立ち振る舞いがよくなかった」

 鷹フルでは、各地で自主トレに励むホークスナインの情報をお届けします。今回は、福岡県内で鍛錬を積む谷川原健太捕手の登場です。味わった大きな失敗と、首脳陣からの“愛情”。「本当に下を向いてしまっていました……」。失意の底に沈む中、前を向けた理由がありました。

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 2軍に降格した春先の出来事だった。プロ10年目でようやく開幕スタメンを掴んだが結果を出せず、失意の底にいた時、すぐに連絡をくれた首脳陣がいた。「救われましたね」――。2026年、あらためて正捕手争いに挑む谷川原は、胸に刻まれた言葉を打ち明ける。

 昨年3月28日、ロッテとの開幕戦でマスクを被ったが、バッテリーを組んだ有原航平投手は7回7失点。勝利に導くことができず、4月7日には登録抹消となった。「実力を出せなかったですし、立ち振る舞いが一番よくなかった。そこから得たものもあったんですけど、同じ失敗はしないように」。絶対に忘れてはいけない敗戦。谷川原にとって、1勝の重みを思い知った経験だ。

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続きの内容は

【続きを読むと分かる3つのこと】
・2軍降格の谷川原健太を救った「驚きの連絡」
・昨季は外野出場も…2026年に谷川原健太が守るポジションは?
・オフのミーティング…首脳陣から与えられた明確な課題

驚愕だった細川コーチの“目”「誰も見てねえってところまで」

2年連続の日本一を目指す2026年、細川亨バッテリーコーチが1軍に配置転換となった。ファーム時代に教えを授かった存在。昨年4月7日に2軍降格となり、すぐに連絡をくれた人物こそ細川コーチだった。

「2軍に落ちた時、すぐに『話し合いながらやっていこう』と言っていただいたんです。実際に一緒にやる中ですごく吸収することがありましたし、『そんなところ誰も見てねえだろ』って部分まで見ている方。1つも逃さずに見ているんだというのは感じて、すごく衝撃を受けたので。腐らずにやっていきたいという思いでしたし、プロ10年目ですけどハッとするものがありました」

 驚愕だったのは、連絡をもらったタイミングだ。抹消となった翌8日は、タマスタ筑後での2軍戦だった。「次の日(8日)、朝の練習が始まるよりも先に(連絡を)くれたんですよ。本当に悔しくて、下を向いている時だったので。落ちていた気持ちも復活しましたね。『やってやるぞ』という思いで、グラウンドに出たのを覚えています」。落ち込んでいる暇はない――。まさにそれを行動で突きつけられた。「まだ期待されている」という実感はモチベーションに変わり、充実の時間を過ごすことができた。

ブロッキングとフレーミングは首脳陣からも“合格点”

 細川コーチが現役としてホークスでプレーした“ラストイヤー”の2016年のみ、現役時代は被っている。しかし、昨年2月の春季キャンプで接点が多かったわけではなかった。「『タニ、もうちょっとこうした方がいいぞ』って。そう言われたくらいでした」。技術はもちろん、指導の多くは心構えについてだった。「ピッチャーを気に掛けるというのは、どういうことなのか。目配りや気配り、技術以外のこともたくさん教えていただきました」と、一歩ずつ成長を重ねてきた。

 小久保裕紀監督が今季のレギュラーに指名したのは柳田悠岐外野手、近藤健介外野手、周東佑京内野手の3人。昨季1軍で最もマスクを被った海野隆司捕手も「確定じゃない」とキッパリ言い切った。扇の要を狙う選手にとっては、まだまだチャンスはある状況。「僕も記事で見ましたし、やる気が出ました」と谷川原も意気込む。「(2025年)シーズン後にコーディネーターとのミーティングがあって、ブロッキングとフレーミングは『すぐにいけるレベル』と言ってもらったので。さらにフレーミングの精度を上げていきたいです」。現状の課題を受け止めつつ、万全の状態でキャンプインを目指す。

 2024年から捕手専念を掲げていたが、昨シーズン終盤には打力を期待されて外野手としてスタメン出場したこともあった。2026年は、どこを守るのか。「基本的にはキャッチャーで行こうと思っています。外野手のグローブも、キャンプには持っていかないので。そこから勝負したいと思います」。何倍にも成長した姿で、もう1度競争に挑む。

(竹村岳 / Gaku Takemura)