選手が過ごす「日本一のオフ」 露出が“倍以上”に…牧原大成がかけた電話の真意は?

ハワイでの優勝旅行に参加した西田哲朗広報(左)、中村晃、現地のコーディネーター(中央)【写真:西田広報提供】
ハワイでの優勝旅行に参加した西田哲朗広報(左)、中村晃、現地のコーディネーター(中央)【写真:西田広報提供】

5年ぶりの日本一に輝いた2025年…選手たちが過ごすオフ

 2025年、ホークスは5年ぶりの歓喜に包まれました。選手たちのスケジュールや企画内容の調整を行っている西田哲朗広報が語ってくれたのは、「日本一のオフ」の舞台裏。過去と比べ、露出が「倍以上」となった選手とは。牧原大成内野手からかかってきた1本の電話――。 ハワイで果たした貴重な“再会”など、幅広い角度でオフシーズンを振り返ります。

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 鷹フル読者の皆さん、あけましておめでとうございます。日本シリーズが終わって、2か月以上のオフシーズンを過ごしています。この時期はファンの方々にとっても情報がほしいと思うので、僕たち広報としても大事にしていることは多くあります。選手たちは1年間の戦いを終えて、一番リラックスした状態になるわけですから。家族との時間もある中で、その合間を縫ってテレビの収録や企画に出演してもらうことが大きな目標です。僕としては、「特番」に力を入れたオフでもありました。

 中でも、僕が大切だと思っているのが在福メディアの皆さんです。1年間を終えての“恩返し”じゃないですけど、オファーをいただければ選手の調整をして、しっかりと応えられるように。やっぱり、ずっとホークスの戦いを見てもらっている方々なので。その繋がりを大切にすることは、お互いの将来にも生きてくると思っています。選手たちも、現役を引退すれば解説者になるかもしれません。企画を用意していただけるだけでも、本当にありがたいこと。「この環境が当たり前じゃない」ということを、しっかりと伝えていかないといけません。

 2025年は、広報になって5年目のシーズンでした。日本一になって過ごすオフは、僕にとっても初めての経験。メディアの方々からたくさんのオファーをいただいた中で、注目度が上がったなという選手がいました。

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続きの内容は

牧原大成が電話で尋ねた選考の“裏事情”とは
川瀬&野村勇がテレビ出演後に必ず向かう「練習場所」とその真意
西田広報が日本一達成のために1年間続けた「小さな願掛け」

川瀬晃と野村勇は「どこに送り出しても恥ずかしくない」

 それは川瀬(晃)と、野村勇です。これまでに比べても露出は倍以上じゃないでしょうか。昨年のチームに欠かせない存在でしたからね。彼らは僕たち広報の目線で言っても、どこに送り出しても恥ずかしくない選手です。どんなことでも柔軟に対応してくれるし、みんなを笑顔にできる。「喜ばせる」ということができれば、見ているファンの方々も嬉しいと思うんですよ。企画や収録で、自分に何が求められているのかをしっかりと理解している。そこはグラウンドでも同じことだし、細かいところが野球にもつながっているんだなと思いました。

「テレビばかりで大丈夫か」と思われるかもしれませんが、しっかりと練習機会を確保してもらった上で、出演時間も極力絞って調整しています。いただいたオファーの中で、選手が輝くところに僕たちも送り出すので。1度、マッキー(牧原大成)から電話がかかってきました。「なんであの番組(に出るの)が誰々なん」って(笑)。「大丈夫、ここからまたマッキーにもいい企画を用意しているから」と返しました。選手それぞれに“担当”というか、ジャンルがありますから。そこをプラスに働かせて、ファンの方々により選手を好きになってもらうことが僕たちの仕事です。

 (昨年)12月の出来事なんですけど、早朝から勇のテレビ出演がありました。そのぶん解散も早かったんですけど、勇は(福岡に戻った)その足でみずほPayPayドームに向かっていましたね。彼は昨年からトレーニングに力を入れているので、きちんとやることをやって午前中には練習を終えていたと聞きました。川瀬も(今年)1月の上旬、朝の3時起きでテレビの生出演がありました。そこから練習して、準備を整えて自主トレ先の国東(大分県)に出発していたので。メディア対応してくれた中でも、やることは決して怠らない。あらためて、彼らに頼もしさを感じた時期でもありました。

ハワイの優勝旅行に参加した西田哲朗広報と中村晃【写真:西田広報提供】
ハワイの優勝旅行に参加した西田哲朗広報と中村晃【写真:西田広報提供】

「僕にとっても、もっと頑張らなあかんなと」

 (昨年)12月には、ハワイへの優勝旅行にも同行しました。現地のお店や土地感に詳しいコーディネーターの方と1年ぶりに再会したんです。2024年に続いて「もう1度ハワイに行く」というのはチームとしても目標に掲げていましたし、今回は日本一になって最高の報告ができたかなと。

 そのコーディネーターの方は芸能人も案内されるようなすごい方で、当然英語もペラペラです。僕にとっても『もっと頑張らなあかんな』と思わせてくれりような出会いでした。2024年の優勝旅行で交換した名刺を、僕は1年間名刺入れから出さなかったんです。小さな“願掛け”なんですけど、それくらい日本一になって(ハワイに)戻ってきたかったので。普通の仕事をしているだけでは日本一になれない。あらためてお互いのリスペクトがあって僕たちは成り立っているんだと、実感するような日々になりました。

 2026年の意気込みとしては、自分たちの業務をこなすことはもちろん、「広報とは」という面ももう少しファンの方々に知ってもらえるように頑張りたいなと思っています。テレビのインタビューにしても、画面に映っているのが5分だとしたら、その倍以上の時間を使って録っているわけですよね。選手たちは練習の合間を縫って、分刻みのスケジュールに応えてくれている。選手の動き、(小久保裕紀)監督と城島(健司)CBOの大変さ……。もっと細かいところをファンの方々に届けられたら、ホークスを好きになってもらえると思うので。より濃密な舞台裏を見せられるように、僕も1年間努力していきたいです。

(竹村岳 / Gaku Takemura)