柳田悠岐に「くれぐれも髪は…」 らしさ溢れる“お願い”、森唯斗が仲間に伝えた感謝

2023年にウエスタン・リーグで優勝し小久保裕紀監督、奥村政稔と記念撮影する森唯斗【写真:森唯斗からの提供提供】
2023年にウエスタン・リーグで優勝し小久保裕紀監督、奥村政稔と記念撮影する森唯斗【写真:森唯斗からの提供提供】

森唯斗からファンへ「また会える日が楽しみです」

 鉄腕から、チームメートへ――。全5回にわたってお届けしてきた森唯斗投手のインタビュー。最終回は、ともに過ごしてきた仲間たちへの“エール”です。柳田悠岐外野手、中村晃外野手、上茶谷大河投手……。関係性の深い選手が次々と登場します。ユニホームを脱いだ右腕だからこそ伝えられる思いに、茶目っ気あふれたジョークなど、森投手らしい言葉で気持ちを伝えてくれました。

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 まずはやっぱり、福岡と横浜のファンの皆さん。打たれた時も抑えた時も、熱い声援をくれました。当然、ファンあってのプロ野球。12年間、声援をくれたことに心から感謝しています。僕がこれからどうなっていくのか、まだわからないですけど。今までお世話になった分だけ、野球に恩返しがしたいと思っているので。野球に携わりながら、いろんな部分の自分を見ていただけたら、応援していただけたらと思います。また会える日が本当に楽しみです。この場をお借りして、本当にありがとうございました。

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続きの内容は

森唯斗が断言!柳田悠岐のプレーに欠かせない「意外な条件」
森唯斗が語る!中村晃がチーム優勝に「不可欠だった理由」
「アホなんでね(笑)」森唯斗が津森に贈る愛ある金言

 抑えはチームの勝敗を背負っているので、野次が飛ぶポジションでもあります。でも厳しい言葉をかけられるということは、そこまで見てくれているということ。僕はどんなことを言われようが「よっしゃ、見とけよ」と思いながらバネにしてきたつもりですし、ファンの人がそのチームを応援する“熱”も肌で感じてきました。どんなことにも感謝です。濃密な12年間を過ごすことができました。

 まずはギータさん。僕が入団してきた時から共通の知り合いがいたので、挨拶をさせてもらったのが最初でした。食事に何度も連れて行ってもらいましたし、最近も一緒にゴルフを回らせてもらいました。本当に飾らないので、気を遣わなくてもいい。そんな人です。ああいう感じですけど、野球に対してとにかく真面目。そうじゃないと、あそこまでできないと思うので。来年が契約の最終年ですよね。馬代も稼がないといけないと思うし、僕としてもまだまだ現役でやるところが見たいです。あと、くれぐれも髪は伸ばさないでほしいです。短髪の方が絶対にカッコいいので!

プロ11年目で新天地に移籍…上茶谷がいたから「馴染めた」

 次に、晃(あきら)さん。あんまりしゃべらないタイプに見えるかもしれないですけど、話すようになると心を開いてくれる。晃さんの姿勢というのは、やっぱり誰もが見ているので。今年も代打一本というところから、チーム事情に応じて仕事を果たせるのは職人だなと思いました。成績はもっともっと高みを目指していると思いますけど、晃さんの存在がなかったらきっと優勝もできなかった。ギーさんと同じく、長く見ていたい先輩。またゆっくりゴルフでもできたら嬉しいですね。

 えー、かみちゃ(上茶谷)! 僕がベイスターズに行った時、彼があそこまでやってくれたから馴染むことができた。本当にベイの恩人。明るいところが時には悪目立ちするかもしれないですけど、それが魅力だとも思うし、締めるところはしっかりと締めればいい。可愛い後輩だし、今年もちょこちょこと連絡は取っていました。あいつは右肘の手術もあって、我慢することも多かったと思うんですけど、来年は先発するんですよね。普通にやれば勝てると思うし、あとはもう必死にやるだけ。腐らずに、チャンスを狙ってほしいです。

 津森(宥紀)も自主トレを一緒にやった仲間です。なんだかんだ言いながら、年々成績も落ちてきているので。ここはもう1回踏ん張りどころだし、球を見れば藤井(皓哉)や杉山(一樹)ともそんなに変わらない。ましてやサイドスローでしょう。特徴もある中ですごいボールを投げているし、考え方1つでもっと上にいけるはず。まあ、アホなんでね(笑)。彼なりに考えながらやってもらえたらいいんじゃないですか。

奥村政稔コーチも自主トレ仲間…先輩として伝えたい思い

 奥村(政稔)も、コーチとして頑張っていると聞いています。それこそ彼と連絡を取ることはしょっちゅうあるので。ああいうキャラクターはなかなかいないし、あの明るさは大切にしてほしいですね。「ちゃんとしているのかな」って気にかけていたんですけど、彼に聞きにくる選手はいっぱいいるみたいです。やり方を変える必要はないし、そのままでいいと思うので。僕もコーチとして勉強できることがあればいろいろと聞いてみたいし、それまで「失敗しても頑張れよ」と伝えたいです。

 球団は変わりますが、甲斐野(央)。2024年1月に西武へ移籍しましたけど、僕はよかったんじゃないかなと思いますね。今年は47試合に投げましたけど、怪我もちらほらと見られるので。そんな場合じゃないぞ、と。「今のまま」という甘い考えではなくて、もう1回勝負だという気持ちでいれば変われるはずなので。上の舞台で勝負できるポテンシャルは持っているし、僕としてもたくさん面倒を見てきた後輩の1人。もっと成功する姿を見せてほしいです。

 年下の後輩たちは、僕よりも現役を長くやれるはずです。大切なのは、メリハリをつけること。ふざける時はふざけてもいいと思うけど、やる時はしっかりとスイッチを入れる。取り組みというか、姿勢として「ちょっともったいないな」と感じる子もいたので。ホークスもベイスターズも、能力は本当に高い選手ばかり。12年間でせっかく繋がり、関係性を持てたので、どちらのチームにも強くなってほしいです。みんなの姿を、来年からは近くで見守っていようかなと思います。

(竹村岳 / Gaku Takemura)