両親と過ごした優勝旅行…庄子雄大が伝えた感謝 「少し奮発して…」贈ったもの

ハワイでの優勝旅行に参加した庄子雄大【写真:荒川祐史】
ハワイでの優勝旅行に参加した庄子雄大【写真:荒川祐史】

庄子が両親にプレゼントしたものは

 最高の親孝行になった。パ・リーグ連覇、5年ぶりの日本一を達成したホークスのハワイ優勝旅行。庄子雄大内野手はその時間の多くを両親と過ごした。「『連れてきてくれてありがとう』って言ってくれたんで、とても嬉しかったですね」。そう頬を緩ませた。

 神奈川大からドラフト2位で入団し、1年目の今季はホークスの新人で最初に1軍デビューを果たした。最終的に、26試合に出場し、打率.235、2打点、1盗塁。17日の契約更改では100万増の推定年俸1300万円でサイン。「本当にすばらしい経験ができた」と1年を振り返った。

 12月7日まで台湾での「アジアウインターリーグ」で武者修行。帰国して中1日で5泊7日の優勝旅行へ両親と参加した。「少し奮発して……」日頃の感謝を込めた両親へのプレゼントを明かした。

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続きの内容は

庄子選手が両親にハワイで「少し奮発した贈り物」
来季の具体的な目標と、親孝行に懸ける「強い決意」
台湾で放った「プロ初アーチ」と、高き壁への覚悟

「普段使いできるようなカバンをあげました。あとは『(名物ステーキの)ウルフギャングにずっと行きたい』って言っていたので。少し奮発して、ご馳走しましたね」

両親にご馳走したウルフギャングのステーキ【写真:本人提供】
両親にご馳走したウルフギャングのステーキ【写真:本人提供】

 学生時代は寮生活を経験していたものの、高校・大学ともに地元・神奈川の名門校。親元に近い環境で育ってきた庄子にとって、実家のある横浜市を離れて暮らすのは今年が初めてだった。新天地での孤独な戦いの中、遠方から何度も応援に駆けつけてくれる両親の存在は、何よりの支えとなった。だからこそ、このハワイ旅行は恩返しの時間にすると心に決めていた。

 私立の高校、大学で硬式野球をするには決して安くない費用がかかる。それでも「自分がやりたいことを尊重してくれて、否定されたことはないですね」。見守ってくれた両親の存在があったからこそ、ここまで来られた。「本当に感謝してもしきれないですし。自分の両親じゃないとここまでやってこれなかった」と、改めてその深い愛情を噛み締めた。

 一方で自身の成績には満足していない。1軍では主に代走や守備固めの出場で、26試合の出場にとどまった。「自分も周りの先輩方に連れてきてもらったようなもの。来年は自分が結果を残して、両親を連れて行きたいっていう気持ちは強く持ちました」。自らの力で親孝行をしたい――。来季はスタメンとして20試合出場することを目標に掲げた。

 確かな手応えはある。台湾のウインターリーグでは、打率こそ.262だったものの、出塁率.392、6盗塁と持ち味を存分に発揮。さらには、うれしいプロ“初アーチ”もマークした。「まさかプロ初ホームランが台湾か……とは思いましたけど」と笑う。ホークスの遊撃を見れば、今宮健太、野村勇と高き壁が立ちはだかる。それでも、途中出場に甘んじる気はない。足元を見つめ、一歩一歩前に進む。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)