牧原大成が明かした“ノープラン始動”…「ホテルも取らない」 自主トレに詰まった思考

昨季自主トレを公開した牧原大成【写真:竹村岳】
昨季自主トレを公開した牧原大成【写真:竹村岳】

今年初めはグアムで自主トレをスタート

 首位打者が選んだのは、まさかの「ノープラン始動」だった。2025年シーズンに打率.304をマークし、育成出身選手としては初となるタイトルを獲得した牧原大成内野手。球史に名を刻んだ男が、来季に向けたビジョンを明かした。

 今年初めはグアムで自主トレを敢行し、帰国後は福岡県小郡市でトレーニングを重ねた。年齢を重ねたことによる身体の変化とじっくり向き合ったことで、今季は開幕から1度も離脱することなくシーズンを完走。疲れが出る夏場に調子を上げ、見事に首位打者を獲得した。

 タイトルホルダーとして迎える16年目の来季は重要な1年となるが、牧原大が口にしたのは意外な言葉だった。「基本ノープランです」――。あっけらかんとした表情とは対照的に、その選択にはベテランらしい思考が詰まっていた。

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「年明けは沖縄でやります。場所は特に決まっていないですね。公園があればずっと走って、ジムがあればウエートして。グアムでやった時も、別に野球をするために行ってないので。暖かいところである程度動けるまでの体を作って。で、こっち(福岡)に帰ってきてから技術練習するイメージです」

小郡自主トレには育成の西尾と藤野が参加

 現時点では年明けの1月4日から沖縄に移動し、1週間ほど滞在するつもりだ。「身体を起こす感じです。寒い中でいきなりバッとやって、怪我をしないように。僕1人だけなので、ホテルも何も取っていないです」。ベテランの域に差し掛かりつつある中で、シーズン中でもアーリーワークに参加するなど、豊富な練習量をこなす33歳。まずは土台固めを優先するつもりだ。

 昨オフの自主トレでは、有用な“気付き”もあった。「(中村)晃さんが栄養管理を徹底した食事をやっていましたけど、僕はダメなタイプだったんですよ。今年の自主トレから始めて、4月くらいまでずっと食生活をしっかりやっていましたけど、ストレスがすごくて。食事は自由に、ストレスのないくらいでやった方がいいなと思いましたね」。

 実践してみたからこそ、初めて分かった自らの「タイプ」。プロの世界で15年を過ごしてもなお、進化への意欲はとどまることはない。その探求心こそが、育成初の首位打者という最高の結果につながった。

 1月中旬から小郡に場所を移しての自主トレには、育成の西尾歩真内野手と藤野恵音内野手が参加する予定だパ・リーグの二塁手部門でゴールデン・グラブ賞も獲得した「育成の星」が、さらなる飛躍を遂げる。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)