2022年ドラフト入団の同期8人が参加
それぞれの立場は違えど、思い出に花を咲かせた。10月中旬、筑後にある蕎麦屋で行われた2003年世代の同期会。2021年ドラフト1位で入団し、今オフに戦力構想外の通告を受けた風間球打投手らも参加していた。
その右腕は12日にマツダスタジアムで行われた「エイブル トライアウト2025」に参加。打者3人に対し、内野ゴロ2つに四球という内容だった。最速は143キロ。かつて157キロを計測し、甲子園を沸かせた剛腕の姿からは程遠かったが、「今出せるものは出しきれたと思います」とスッキリした表情だった。
トライアウトの2週間ほど前に行われた同期会には高卒入団の8人が参加。今オフは風間のほか、育成6位の加藤晴空捕手が戦力外通告を受けた。会を企画したのは育成1巡目で入団した藤野恵音内野手。風間、藤野が明かした同期への思いとは――。
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減りゆく同期へ…風間が明かした「最高の仲間」の定義
ドラ1風間が明かす3年間の「唯一の心残り」
藤野が明かした「毎年減る人数」と託された思い
「誰かがクビになったらみんなで行こう、みたいな。去年もそうだったんですよね。今年は2人でしたけど、来年はどうなるかわからないので。(人数が)多い分、切られる人も多いので」
そう語るのは風間だ。同年のドラフトは支配下、育成を合わせて計19人が指名され、うち高卒が11人だった。昨季は加藤洸稀、佐久間拓斗、瀧本将生、三代祥貴が戦力構想外となり、風間が育成再契約となった。今季は風間、加藤晴が契約を結ばない旨を通達された。
ノースアジア大明桜高時代に最速157キロをマークし、ドラフト1位で入団した風間。鳴り物入りでプロの世界に飛び込み、怪我にも苦しんだ中で、支えになったのは同期の存在だった。「1人でいるよりも、集まったらリフレッシュできる存在。いなかったらどうなっていたかわからないし、一緒にプレーできたのは本当に偶然。最高の仲間でした」と感謝する。
唯一の心残りは、ともに1軍でプレーできなかったこと。プロ入り後3年間は怪我に苦しみ、登板機会はほとんどなかった。「僕が怪我をして、同期とプレーする機会が少なかった。そこはちょっと心残りですね。もう少し一緒に野球がやりたかった」と振り返る。
藤野が企画した理由「毎年人が減ってきて…」
会を企画した藤野にとっても、風間の存在は大きかった。「球打はドラ1で、僕は育成で。最初は存在的に上みたいな感じだった。それでも、そういう奢りとかは見せなくて。すぐに仲良くなりましたね。いじって、いじられてみたいな」。昨季からは共に育成となった。「結果的に同じ立場になって、一緒に頑張ろうってなりましたね」。
同期会は藤野の一声で行われた。参加したのは2人の他に木村大成投手、加藤洸3軍打撃投手、加藤晴、山崎琢磨投手、ハモンド投手、井崎燦志郎投手の合計8人。藤野は「同期で集まるのが無くなってきているので。どんどん毎年人が減ってきて、今年でみんな寮も出るので。集まりたいなと思って声をかけました」と明かす。
毎年入れ替えの激しいホークス。高卒4年目の時点で今年も2人が新たな道を進む。藤野も「球打が今年、クビになってしまったので。彼の分までではないですけど、頑張ろうみたいな感じにはなりました」。それぞれの道を歩んでも同期の絆は変わらない。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)