フェニックス・リーグ全日程が終了
ソフトバンクの2軍は27日、秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」のロッテ戦に2-5で敗れた。先発の岩崎峻典投手が5回2失点。打線は6回、笹川義康外野手の適時打で1点を返すと、佐倉侠史朗内野手の内野ゴロの間に同点に追いついた。しかし9回に岩井俊介投手が味方の失策も絡み3点を失い、そのままチームは敗れた。この一戦でリーグ全日程が終了。指揮を執った斉藤和巳3軍監督の主なコメントは以下の通り。
――フェニックス・リーグの全日程を振り返って。
「個人的な感想は特にないかな。2軍選手をここまでじっくり見ることは今までなかったっていう感じかな」
――1軍経験者から育成選手まで、様々な立場の選手がいる2軍をこの期間率いた思いは。
「チーム全体を見渡した時に、ここからどれだけ1軍に食い込んでいけるか、レギュラーになるかという選手が多いので。ここら辺の選手たちが次の世代を作っていかないといけないなと」
――この1か月はトライアンドエラーの期間だったと思う。選手たちに変化の兆しは見えた?
「どうなのかな。でもみんながそれぞれ技術を上げるというところにはもう目先は行っているので。ただ戦力って言いたくはないんですけど、1軍の戦力になるくらいのところは目指してほしくない。1軍のレギュラーになるぞという気持ちでやってもらいたい。何か原因があってここにいるわけで、それは本人たちもわかってるけど、技術的なところで向き合い続けられているのかどうか。逃げ道を作っていないか。本人たちは一生懸命頑張ってるのはこっちサイド(首脳陣)もわかってることですけど、一生懸命やっていることが全てじゃない」
「このあたりバランスをどう保つかが非常に難しい。それは選手本人もそうですし、こちらサイド(首脳陣)もそう。どこを見てやっているのか。監督、コーチとして、選手に対してどういう方向性でやっていくのか。何をしようとしてやっていくのか。そのあたりが3、4軍選手は分かりやすいけど、2軍選手に対しての難しさはあるなという」
2軍選手の姿に「変化する勇気も大事」
――第3クールから練習前ミーティングも取り入れた。成果は感じた?
「こっちとしては正直そこまでないかな。そんな簡単に見えるものでもないし。本人たちも今悩んでいるし、『こうしたい』『ああしたい』というものをみんなそれぞれ持っているので。持つのはいいことやけど、『変化する勇気』も大事。それは考え方、感じ方、気持ちの部分であったり。そういったところが足りないわけじゃないけど、その勇気。考え方、気持ちの持ち方を1人1人が考えていかないと、変わらないという可能性も出てくる。そういう部分は(率いてみて)難しかったなと」
――育成選手にとっては貴重な2軍の実戦だった。ワンプレーへの意識や考えを持って欲しいという部分もあった?
「考える力がついていかないと、なかなか状況を変えることや結果を変えることはできないと思うので。どの分野でも成功してる人たちは、誰よりも考えて、誰よりもチャレンジや失敗をして。そこから学んで、めげずに自分を信じてやり続けてる人たちだと思うので。そういう気持ちの浮き沈みや諦めは、頑張って払拭していかないと、自分が思い描いてる野球人生の方向には向かわない。近づいていっても、そのスピードが早まらない。それを促すのは我々の仕事ですけど、どれだけ促したとしても、本人の考え方や気持ちが一致しない限り、そのスピード感は出ない。そういう方向にみんなでいかないと」
「全然失敗してもらっていいけど、1軍に行ったときにそういう失敗が起こらないように。そういう場所なので。より確率良くプレーをできるためにはどうするべきか。その確率が上がることで、1軍の戦力やレギュラーに近づいていけるので。『分かっています』『意識しています』とか『やろうとしています』では、なかなかね」
(森大樹 / Daiki Mori)