フェニックス・リーグでは堅実な守備を披露
共に過ごしたのはたったの6日間でも、かけがえのない財産となった。左ふくらはぎ痛から復帰し、1軍合流が決まった今宮健太内野手。10月6日に開幕した「みやざきフェニックス・リーグ」で試合出場を重ね、12日に福岡へ戻った。そんな今宮と4試合で二遊間を組んだのが庄子雄大内野手だった。
今宮は6日から、庄子は7日からそれぞれ2軍に合流した。8日の楽天戦から4試合連続で遊撃を守った今宮とコンビを組んだ23歳(11日のオイシックス戦は1回表を終えて雨天コールド)。堅実な二塁守備を披露し、好プレーを見せた際には先輩から拍手をもらう場面もあった。
ルーキーイヤーの今季は1軍で26試合に出場し、遊撃、二塁での先発も経験した。このフェニックス・リーグでも守備力の高さをアピールしている庄子にとって、今宮と過ごした“わずかな日々”はどのような意味を持っていたのか。「財産です」――。はっきりと言い切った真意に迫った。
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続きの内容は
今宮選手の「所作」から庄子が掴んだ真髄とは?
髙田コーチが語る庄子の「意識変化」とは?
庄子が明かす「憧れの先輩」への熱き挑戦状
「自分から『こう思うんですけど、どうですか』とか色々と聞いたりして。あとはポジショニングもそうですけど、ピッチャーや外野手に対する声掛けとかジェスチャーを見ていても、すごく勉強になったので。本当に短い期間だったんですけど、二遊間を組めて。自分にとってすごくいい期間だったなって思いますね。財産になりました」
庄子は目を輝かせながら今宮との日々を振り返った。入団当初から同じ遊撃手として今宮はあこがれの存在。春季キャンプでも同じA組として練習をともにしたが、当時に抱いていた感覚とはまるで違う思いを覚えたという。
今春キャンプは「とにかく必死だった」
「どういった言葉を掛ければピッチャーが投げやすいのかとか、フォアボールになった時に1つ声を掛けることによって、ちょっと落ち着くのかとか。春のキャンプの時にはとにかく必死で気付けなかったこともあったので……。本当にまだまだですけど、自分も少しは成長できているのかなと思います」。今宮のちょっとした所作に意味を感じられるようになったのは、庄子がプレーヤーとして1つ上のレベルに上がったことの裏返しでもある。
フェニックス・リーグ期間中は、試合後も居残りで髙田知季2軍内野守備走塁コーチとマンツーマン練習をこなす光景が日常となっている。「僕がやれと言っているわけじゃなくて、庄子から毎日『お願いします』と言ってくるので。すごく意識は変わってきているのかなと思います」。高田コーチは23歳の姿に目を細めた。
もちろん今宮の背中に憧れているだけではダメなことは、庄子も理解している。「もちろん同じ試合で二遊間を組みたいという気持ちはありますけど、やっぱり自分もショートで出たいので。そこはいつか、ポジションを取れるようにというのは、ずっと目標に掲げてやっているので」。
13日の同リーグでの試合後には帰福し、CSファイナル前日となる14日から1軍に合流する見通しだ。名手と過ごした日々を生かし、1軍の舞台でもチームを救う活躍をしてみせる。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)