9連戦でブルペンデーの可能性は? 首脳陣が語るヒント…リリーフ起用の松本晴を絶賛

日本ハム戦でリリーフ登板した松本晴【写真:小池義弘】
日本ハム戦でリリーフ登板した松本晴【写真:小池義弘】

シーズンも残り12試合「疲れは正直全員ある」

 ソフトバンクは19日、みずほPayPayドームで投手練習を行った。有原航平投手、上沢直之投手、大関友久投手、大津亮介投手の4人が参加。倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。20日から始まる9連戦。首脳陣が明かしたシミュレーションとは? 中継ぎに配置転換となった松本晴投手にも言及。「一番の仕事だった」と評価を口にした。一問一答は以下の通り。

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続きの内容は

・倉野コーチが明かす、9連戦の「秘策」とは?
・松本晴投手が語る、覚醒のきっかけとなった「弱さ」の正体
・優勝争いの重圧が選手にもたらす「意外な効果」とは

――マジック7という状況で9連戦に臨む。
「ピッチャー陣には最後、力を振り絞ってもらう9連戦になるかなと思います」

――18日の日本ハム戦のように、どんどん中継ぎを投入する。
「9連戦をどう戦う、どうやり繰りするかというよりは、目の前の試合を勝ちに行くつもりではいますね。監督とも話をして」

――18日の日本ハム戦の勝敗で、ローテーションが変わる可能性もあった。
「もともと最後、最終戦まで優勝が決まらない、もつれるシミュレーションでローテーションは組んでいます」

――大関投手やリバン・モイネロ投手は、疲労の影響が出ている?
「疲れは正直全員ある。それプラス優勝争いのプレッシャー、緊張感も当然あって、精神的な負担もすごくかかっている状態なので。それが直結して、技術に影響しているかと言われたら、そういう部分もあるし、それ以外の部分もあるという答えにはなってしまいますけど。でも本当、もう先発もあと2試合か3試合になるんで、レギュラーシーズンに関しては。もう振り絞ってもらう段階。疲労以上にやりがいというか、乗り越えていく気持ちが大事な時期なんじゃないかなと思いますね」

上沢直之の活躍「精神的にも体力的にもタフ」

――上沢投手の安定感。
「もちろん頼もしいのは間違いないですね。この時期に前半よりも調子を上げるのはすごいことだと思う。そういう意味でも精神的にも体力的にもすごくタフだなと感じますね。いろんな経験をして、引き出しが多い選手なので。そういった意味でも、頼りがいがあるいい状態ではいますね」

――重圧や緊張感が選手を成長させる。
「すごく期待通りというか、こうなればいいなっていう働きをしてくれる。試合での成長も感じていますし、何より、このチームは競争意識がすごく高い。1軍にいても安泰ではないし、とにかく試合で投げたい、と。これだけ選手がいて、競争相手が多いので。そういう競争意識こそ、優勝争いをしている緊張感の中でも、自分のパフォーマンスを最大限に出せる要因の1つなのかなと」

――松本晴投手はリリーフに適正がある?
「それはわからないですけど、今の状態であれば先発で回っていくよりは、中継ぎの方がチームの戦力になれる。昨日はそういうピッチングだったんじゃないかなと思いますね。あの1イニング目が僕は全てだと思うんですよね。あそこは試合が決まるかどうかの瀬戸際だった。食い止めてくれたのが一番の仕事でした。次のイニング、失点しましたけど、1点で抑えてくれましたし、それが後半に繋がったので、役割としては十分果たしてくれました」

――登板間隔が空いて疲労が取れた。
「そういう感じではないですね。メンタル的なことも大きいし。昨日はこういう事態も想定して、『晴をここで』っていうプランニングをしていました。その期待通りの働きをしてくれました」

――7日の楽天戦から間が空いたのは、気持ちの面を整理させるために時間を与えた?
「もちろん中継ぎで投げる場面があればと、ずっと待機はしていたんですけど。だからその時間を与えたというよりは、結果的に登板機会がなかっただけかなと。でもその間に、すごく整理はできた。本人と話していても、自分のことを冷静に見られているし、自分の弱さというものもすごく受け入れている感じがしたので。いい経験になったんじゃないかなとは思います」

「僕の中ではクライマックス・シリーズと同じ感覚」

――9連戦、ブルペンデーは?
「やるかどうかっていう話ですか? それは言えないですね。色々と考えています。1つ言えることは、先発も中継ぎも振り絞ってもらう。球数とか連投しているとか、登板間隔がとか、そういうの一切抜きにして、目の前の試合を勝つために振り絞ってもらう時期に来ていると思います」

――当然中5日の先発起用も視野にある?
「中5も中4も、色んなことは考えられますね。この状況ですから。優勝できるかどうかの瀬戸際なので。正直もう僕の中ではポストシーズンと同じ、クライマックスシリーズと同じような感覚なんですよ。あと登板しても1回か2回。3回目があるかどうかっていうところ。もう最後の方はどんどん詰めて、振り絞ってもらう。それが何回も続くと疲労がくるでしょうけど、最後なので。もちろんコンディション面はしっかり見たいし、投げられない人に無理はさせませんけど。そういう時期だと捉えています」

(竹村岳 / Gaku Takemura)