今宮健太が抱く危機感「さすがにもう一度は」 4度目の離脱…小久保監督に求めた“助言”

今宮健太【写真:森大樹】
今宮健太【写真:森大樹】

負傷直後、小久保監督に求めた“助言”

「思っていた以上に走れたし、ノックも自分の思っていた通りにできました」。今宮健太内野手が、ファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」でノックと軽いランニングを再開した。離脱から約2週間「次の日も悪くなってるっていうことはまずないので」と、順調にトレーニングをこなしている。

 4日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)の守備中、春季キャンプでも痛めた左ふくらはぎを負傷し、5日に登録抹消となった。8日にリハビリ組に合流してから、キャッチボールと打撃練習を続けてきたが15日にノックと軽いランニングを再開している。

 予期せぬ負傷だった。「正直もう一度ふくらはぎの怪我をすると思っていなかったので……」。チームが優勝争いの最終盤に差し掛かった中での離脱。“再発”に対して今思うこと、そして負傷の後に交わした小久保裕紀監督とのやりとりを明かした――。

「(2度目のふくらはぎの怪我は)結構深く考えています。1回やったら本当に1か月かかってしまう怪我で、4日とかで終わらないので。本当に今後の野球人生を左右すると思うので、何とかしないといけないなと思っています」

 負傷直後、真っ先に頼ったのは小久保裕紀監督だった。現役時代に同じ故障を何度か経験している指揮官は「こういうことをやったら俺は2度としなかった」と具体的な助言を与えてくれた。「怪我をした瞬間、自分だけでやるよりは経験のある方に話を聞こうと思った」と語り、他にも同じ経験をしている先輩たちにも助言を求め、強い危機感を抱きながらリハビリをこなしている。

3度目の登録抹消「さすがにもう一度は…」

 今季だけで登録抹消は3度目、春季キャンプも合わせると離脱は4度目となる。「さすがにもう一度は……」と悔しさをのぞかせた。「こうやって何度も繰り返しているので、万全な状態で少しでもチームの力になれればと思います」と、当初は最短の10日で戻ると話していたが、慎重にリハビリを進めている。

 走塁とノックを再開した15日は、今宮にとって大きな分岐点となった。「この1日が、早く復帰できるか、試合に入っていけるかの境目でした。きょうこれだけできれば、復帰が見えてくるかなと思っています」。朝からグラウンドでトレーナーとのランメニューをこなし、室内練習場で後輩内野手たちとノック、打撃練習を行った。メニューを終え、引き上げていく表情は明るかった。

 中谷将大リハビリ担当コーチ(野手)も「打撃は痛みなくできています」と語るものの、強調したのは走塁と守備における“怖さ”の部分だった。「本人の中で怖さがなくならない限りは、強度で何割というのはないですね。春先も痛めたところなので。そこを1つ1つ確認して『できる』『できない』の判断をしていけたらと思います」と慎重な姿勢を示した。

 突発的な動きが多く、リスクの大きい遊撃のポジション。今宮自身も「防げない部分もあるけれど、防げるとしたら準備段階。そこだけはしっかりやっていきたい」と語る。繰り返す故障に悔しさをにじませながらも、自分の体と真摯に向き合う。もう一度今季1軍のグラウンドへ――。小久保監督の助言を胸に、復帰への道を一歩ずつ着実に歩んでいる。

(森大樹 / Daiki Mori)