「いつも通りの代打の準備をしていました」。試合後、淡々と語った柳町。前日30日の同カードは5回まで4-1とリードしながら痛恨の逆転負け。2連敗中、スタメンを外れた28歳はどのような思いで見ていたのか――。胸中を明かした。
「その場に立っていないっていうのは残念だなと思います」。10秒ほどの沈黙の末、出てきたのは無念さだった。先発を外されたことへの悔しさではない。自分がベンチスタートとなり、負けたことに対する責任を感じているからこそ出た言葉だった。
「外されたことが残念ではなくて。厳しい戦いの中でも、その場に立っていないといけないかなとは思うので。そこに立てていないのはちょっと……と思いますけど」
開幕を2軍で迎えた今季、主力野手の相次ぐ離脱で1軍に呼ばれると、4月23日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)から56試合連続でスタメン出場。指揮官に「外せない選手からチームを牽引する選手に変わりつつある」と言わしめた。
29日の同カードでは2安打を放ち、勝利に貢献した。しかし、この試合で近藤健介外野手が左脇腹を負傷し途中交代。30日、31日は牧原大成内野手が外野に回り、佐藤直樹外野手がスタメン。柳町は2戦続けてベンチスタートとなった。
29日終了時点で打率.281をマークしていた。もちろん悔しさはあったが、その気持ちを押し殺して準備に徹した。「あまり変わんないですね。どこで行くかをある程度自分の中で考えながら、来た時にもう集中してできるようにっていう感じですかね」。その結果が安打につながった。
連敗を喫したこの日、小久保裕紀監督はナインを集め緊急ミーティングを行なった。柳町は「もうやることやりましょうってことですね」と明かす。その言葉通り、入念な準備が代打での好結果につながった。どんな立場でも、勝利に向かう準備だけは変わらない。その姿勢こそが、チームの連敗脱出の鍵になる。