東浜は5回3失点…毎回走者を背負う苦しい投球
ソフトバンクの2軍は30日、ウエスタン・くふうハヤテ戦に8-3で勝利した。先発した東浜巨投手は5回を投げて8安打2四球3失点という内容。4回を除いて毎回走者を背負う苦しい投球で、5回は4安打を集められて3点を失った。8回に3番手で登板した川口冬弥投手は1イニングを打者3人で終わらせて無失点。2三振を奪ったが、直球は145キロ前後と出力面に課題が残った。
試合後、小笠原孝2軍投手コーチ(チーフ)は2投手について評価を口にした。ベテラン右腕が抱えるもどかしさ――。ルーキーイヤーで支配下登録を勝ち取った25歳に対しては思わぬ“苦言”も口にした。小笠原コーチのコメント全文は以下の通り。
――東浜投手の投球について。
「ちょっとらしくない投球だったように見えました」
――初回から少しコントロールに苦しんでいた。
「そうですね。追い込んでから、もったいないことをしていたので。まあ、そのあたりは本人が一番分かっているので。プロで長くやってきた人だから、修正してくれるでしょうし、とやかくいうことではないかなと思います」
――好投しながらも、なかなか1軍登板に恵まれていない。東浜投手自身ももどかしさを感じているのでは?
「こればかりはですね。色々とそういう人たちを見てきたんですけど。2軍に来て、モヤモヤして、思うところがいっぱいあると思うんです。だけど、何を言っても変わらない、一緒なんですよ。だから見守るしかない。何かあったら『大丈夫か』と声をかけますけど、『ああしろ、こうしろ』とか言ったってしょうがないんです」
「これだけ成績を残してきて、年齢も上がってきて、自分が一番分かっているんですよ。イライラして、なんならコーチにも当たりたいくらいの勢いだと思うんですけど。ただ、それを我慢してやっているのに、あまり余計なことは言えないですよね。きょうも特に余計なことは言っていないです。本人が一番分かっているし、僕らが何を言ってもしょうがないので」
25歳右腕をあえて“スルー”「自分で乗り越えないと」
――東浜投手も色々な思いを抱えながら、それを見せない強さがある。
「まあ本当のところは、僕らにも分からないので。歯を食いしばってやっていると思います」
――川口投手は球速が145キロ前後と落ち込んでいる。支配下を目指してここまで飛ばしてきた部分もあると思うが。
「あると思いますし、それも経験なので。こちらとして手助けはしますけど、自分で考えて、乗り越えないといけない。コーチが答えを言うようなことではないので。それじゃ成長にならないと僕は思うので。(取り組みが)どうだったか、ヒントを見つけるのが仕事なので。投げ方がどうなっているか、自分で見つけないといけないので。違いは言えますけど」
――自らで考えて、試行錯誤することが引き出しとなっていく。
「そうです。彼はそういう試行錯誤とか工夫をしてこなかったので。してきたかもしれないけど、甘いので。まともに野球をやってきていないので。今、もろに一番高いレベル(1軍)を経験して、挫折を味わっているわけで。まあ、これくらいは挫折のうちに入らないですけどね。だから甘いんですよ。壁なんかまだまだ低いので」
――コーチの関わり方は1人1人によって変わる。川口投手だからこそ、そういう対応をしている。
「それはもちろんそうですね」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)