
中谷コーチ&有馬トレーナーが現状明かす
鷹フルでは1軍情報だけでなく、筑後から「リハビリ組」の近況もお届けします。29日、筑後のファーム施設で中谷将大リハビリ担当コーチ(野手)に復帰を目指す野手7人の現状を聞きました。また、今回は柳田悠岐外野手と“二人三脚”でリハビリに取り組んでいる有馬大智リハビリアスレチックトレーナーにも話を聞きました。4月11日の試合で右脛骨の骨挫傷を負った柳田選手の現状は――。
●中谷コーチ
――柳田選手はランメニューの強度を上げていく段階か。
「そうですね。今もちょっとずつやっている中で、走り方も今までは結構かばっていたのかなっていう感じがあったんですけど、それが少しずつ取れてきたので。まだ多少の痛みはあるみたいですけど。そこは本当に慎重にやっていきます」
――実戦復帰はまだ先の話になると思うが、まずは走る方が順調に進んでいけば。
「そうですね。本当に段階を踏んでという感じです。」
――今宮健太選手(左脇腹痛)はマシン打撃を行っていた。守るよりも打つ方が課題。
「本当に守備はかなりよくなっているので。あとは打つ方です。でも、きょうはマシンバッティングを始められたので。1つ段階は上がれたのかなと思います」
――反動を見ながら強度を上げていく?
「まずは明日の状態を見て、これを続けていくかどうかという感じです。本当に様子を見ながらですね」
――栗原陵矢選手(右わき腹痛)も同じような段階か?
「そうですね。振る強度は上げてきているんですけど。まだちょっと違和感は残っているということで。栗原もあとはバッティングの部分を詰めていったらっていう感じかなと思います」
――今宮選手も栗原選手も、ぶり返すと復帰が遠のいてしまう。
「ぶり返すというか、それをしないために段階を踏んでやっている現状なので、そこは本当に少しずつ(強度を)上げていけたらなというところです」
――29日の2軍戦に出場した川村友斗選手(右手有鉤骨鉤摘出術)はリハビリ管轄を離れた?
「卒業ではないです、まだ。2軍には参加中という形です」
――まずは試合に何度か出てみてから。
「そうですね。反応を見ながらどうなるかですね」
正木は着実に前進「20球くらいまで伸ばしている」
――正木智也選手(左肩の亜脱臼)の現状は?
「きょうもティーバッティングを20球くらいまで伸ばしているので。まだ5割程度しか振っていないんですけど。そのあたりも段階を踏んでとしか言えないですね」
――今季中に復帰できるか微妙なところもある。モチベーションも難しいのでは?
「まあでも、全然やってますよ、しっかり」
――育成3年目の重松凱人選手(左有鉤骨鉤摘出術)の現状は?
「きょうからフロントティーをやっているので。シゲ自身もまだ本調子にはほど遠いというか、まだ違和感はあるということなので」
――育成ルーキーの木下勇人選手は。
「左膝と左の人差し指です。フェンスにぶつかった時に痛めたところです」
――状態は?
「怪我も怪我だったので。そこは慎重に(状態を)上げているっていう感じです」

●有馬トレーナー
――柳田選手の現状は?
「患部の状態は比較的良くなってきてはいます。ですけど、痛みがゼロではないので。バッティングに関しては、ほぼほぼ100パーセントで振れているとは思うので。あとはランニングのところはちょっと確認しながらですね。まだジョグをやっている段階なので。ここからちょっとずつスピードを上げていく感じにはなると思います」
――確実に状態は上がってきている。
「そうですね。以前の状態に比べると、もう格段に良くはなっています。今も打つ方はほぼ問題なくやれているので。ここから上げていけるんじゃないですかね」
――ここまで慎重に調整してきた。
「そうですね。リハビリの当初はある程度、ちょっと早めに(進めて)いけるんじゃないかということでやってはいたんですけど。しっかり治して、痛みを抑えつつやりましょうっていうプランに切り替えたので。今は安全に安全に進めている段階ですね」
――最初は柳田選手の感覚も含めて、少し早く進められそうだなという見立てだった。
「(競技復帰まで)3、4か月とは言われていた中で、痛みがある状態だったので。バッティングをやってたのは“お試し”じゃないですけど、どれくらい反動が出るかっていうのを見ていた段階でした。しっかり打っていったら、それなりの反動が出ていたので。それなら(痛みを抱えて)やっていくよりも、患部の修復、骨の修復を優先させた方がいいということで。プランを切り替えて、(期間を)長めに設定してという感じです」
柳田の変わらぬ姿勢「盛り上げたりしている」
――長期のリハビリ。柳田選手のテンションは?
「ですけど、テンション自体はそんなにストレスなく、もうなんかある程度、自分の中でこれぐらいの期間なのかなっていうことを理解してやってるんで、最初の頃はちょっとね、あったとは思うんですけど、今はもう比較的、自分のメニューをしっかりこなしながら、はい、前向きに取り組んでるんじゃないのかなとは思います。
――当初の診断を考えれば、ある程度想定通りには進んでいる。
「そうですね。やっぱりそれくらいはかかるのかなというところです」
――骨は折れていなかった?
「一応、診断としては骨挫傷と言われていますけど、骨挫傷も骨に衝撃が加わっているので、表面の骨折といえば、骨折ではあるので。ダメージが骨にあるわけで。その度合いをどう表現するかはなかなか難しいところはあるんですけど」
――骨挫傷という診断にも程度がある。
「そうですね。骨挫傷と言われたらそうかもしれないんですけど、この骨の修復ってすごく時間がかかるので。そういう感じだと思います」
――小久保裕紀監督も「ほぼ骨折のようなもの」と話していた。
「もうそうです、骨にがっつりと線が入ってとか、よく見るような感じではなく、表面がという感じなので」
――柳田選手はこれまで何度も長いリハビリを経験しているが、今回違うところはある?「どうですかね。練習とかウェイトルームでは普通にやっているので。まあ、もどかしさは絶対にあると思うし、時間はかかるものなので。自分も彼本人ではないので、表面的に見えるところしか分からないですけど。いろんなことを考えながらやっているとは思うので。もどかしくないわけがないですよね、確実に。そこはあると思います」
――そこを周囲に見せないところも柳田選手らしさ。
「そうだと思います。普通に選手間でも、みんなに声をかけたり、盛り上げたりしているので。後輩にも声をかけたりしています。自分もリハビリにいる時の姿しか分からないですけど、去年と比べても、そんなに変わりはないのかなとは思います」
――現在のリハビリのスケジュールは?
「今週はリハビリのスケジュールが5勤だったので。昨日(28日)が休みだったので、火、水曜日に来て。木曜日に休みで、金、土曜日(に来る)っていう感じですね。来週からは全部来られるかもしれないですけど。そこは診てもらっている先生と相談しながら、どれだけ上げていっていいのか。結構痛みは残るとは思うので」
――一般的に骨挫傷の痛みは結構残るものなのか。
「そうですね。半年くらいは痛みが残るかもしれないですね。個人差があるので実際には分からないですが」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)