近藤健介の“完全復帰”はいつ? 明かした本音と見通し「今は采配以外で悩ませている」

近藤健介【写真:竹村岳】
近藤健介【写真:竹村岳】

気温37度にも笑顔「初めてだ、真夏の筑後」

 うだるような熱気に包まれたタマスタ筑後に、快音が響いた。「初めてだ、真夏の筑後」。気温37度を超えたファーム施設で24日、全体練習に参加した近藤健介外野手。立っているだけで汗が噴き出すほどの暑さでも笑みが浮かんだのは、コンディションが確実に上がっている証だ。

 ホークスに移籍して3年目の今季は、前半戦を終えて打率.295、3本塁打、19打点の成績をマーク。6月17日の広島戦で左かかとを負傷し、3週間ほどベンチスタートを余儀なくされた。7月8日にスタメン復帰を果たした一方、ここまで指名打者での出場が続いている。完全復活の“Xデー”はいつになるのか。近藤本人が現状を明かした。

「試合に出ながら(守備が)できるところで、という形になるのかなと。どこで守るかっていうのは具体的にまだ見えていないですけど、そこが考えられるようなコンディションにはなってきていると思います」

 球宴前までの数試合は試合前に右翼の位置で守備練習をこなすなど、確実に“その日”は近づいている。一方で、無理をして再び離脱することだけは避けなければならない。「ぶり返すのが一番いけないので。現時点では大丈夫ですけど、守備に就いても悪化しないまで(状態が良くなる)っていうのが判断材料になるかなと思います」。近藤自身も冷静に見極めている状況だ。

後半戦への誓い「最後までプレーするだけ」

 今季は開幕直後に腰を手術し、2か月間もの長期離脱を余儀なくされた。“天才打者”の不在はチーム状況にそのまま反映し、4月終了時点でリーグ単独最下位に沈んだ。その事実から近藤が目を背けることはない。

「今も監督をはじめ、首脳陣に気を遣っていただいているので。采配以外で悩ませているなと思いますし、とにかく普通に動けるように。早く守れるようになって、その状態で打線に入れるようにしたいと思っています」

 近藤が右翼で出場することができれば、他の選手起用の自由度が増すことは間違いない。前半戦はチームに迷惑をかけたという自覚と強い責任感があるからこそ、完全復活を誰よりも待ち望んでいるのは本人だ。

「とにかく後半戦は離脱することなく最後までプレーする。それだけだと思います」。今なお柳田悠岐外野手や今宮健太内野手が不在のチームにとって、近藤の存在は去年以上に大きなものとなっている。焦らず、一日でも早く――。球界屈指の打撃職人は冷静に復活の日を見据えている。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)