栗原は柳田にLINE、連敗ストップの要因 ”気迫”の佐藤直樹は「主力じゃないけど…」

勝ち越し適時打を放った栗原陵矢【写真:小池義弘】
勝ち越し適時打を放った栗原陵矢【写真:小池義弘】

栗原は前夜に柳田にLINE…受け取った金言

 やっとの思いで負のムードを断ち切った。負けが込んでも選手は前を向いていた。20日にベルーナドームで行われた西武戦に3-1で勝利し、連敗を5で止めたホークス。出場メンバーが必死にトンネルを抜け出す方法を探していた。

 先発の東浜巨投手が7回1失点と力投し、栗原陵矢内野手が適時打含む3安打をマークした。さらに17日の楽天戦(みずほPayPayドーム)で3失点を喫し、痛恨の逆転を許したロベルト・オスナ投手が3者凡退で2セーブ目。前回登板の雪辱を果たした。

 試合後、栗原は離脱中の柳田悠岐外野手にLINEをしていたことを明かした。また、オスナもチームメートへの感謝の言葉を述べた。離脱者が続出してもチーム全員で勝ち取った価値のある1勝だった。

「昨日、柳田さんにLINEして『どうやったら勝てますか?』って言ったら『野球上手くなるしかない』って言われたので。もうちょっと上手くなろうかなと思います」

 明るく柳田とのやり取りを明かした。3回の第2打席で勝ち越しの適時打を放つと、その後も快音を響かせ3安打。塁上では、味方を鼓舞するようなガッツポーズも飛び出した。背番号24にとって今季はプロ11年目。グラウンド上において、気持ちを行動で表現するのは珍しいが「全員が“勝ちたい”という思いでやっていますし、チームの雰囲気が少しでも良くなれば、という思いもありました」と振り返った。

 9回にはオスナがマウンドへ。試合前時点で防御率は7.88と、本調子とは言いがたい状態だった。1死からネビンが放った打球は、左中間の奥深くに飛んだ。これを3試合ぶりに「1番・中堅」でスタメン復帰した周東佑京内野手が、フェンスに当たりながらもキャッチするファインプレーを披露。助っ人右腕も「きょうも打たれたんですけど、周東さんが捕ってくれました」と苦笑いした。

ヘッドスライディングで同点生還した佐藤直樹【写真:小池義弘】
ヘッドスライディングで同点生還した佐藤直樹【写真:小池義弘】

佐藤直樹の“気迫”…小久保監督も評価

 味方に助けられながらもオスナは3者凡退で締めた。「やられた後はすぐにでもやり返したかった。きょうも結果的にはゼロに抑えられたので。そこは本当に良かったが、まだまだ状態を上げないとダメ」と気を引き締めていた。

 活躍が光ったのは佐藤直樹外野手だった。前日には遊撃へのゴロで、一塁に気迫のヘッドスライディングを披露したが、惜しくもアウトに。この日、三塁打で出塁すると、リベンジするかのように周東の一ゴロでホームに突っ込んだ。同点生還を含むマルチ安打。小久保監督も「そういう思いのが伝わってきました」と称賛した。

“師匠”でもある柳田が離脱した中、気迫のあるプレーでチームを鼓舞する。「自分は主力とかではないですけど、少しでもチームの雰囲気が良くなったり、勝ちにつながったりするようにとは心がけています」。栗原の言葉にも重なるような勝利への渇望。一丸となって掴んだ1勝だ。

 若手であろうと、レギュラーであろうと、必死にプレーする姿勢に変わりはない。山川穂高内野手も「みんなが帰ってきて最高の布陣でしっかり戦っていくまで、1つ1つ粘り強くやっていくしかない」と話していた。苦しいチーム事情でも、全員が勝利のために戦っている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)