「“サンクスバイト”があるって聞いた時に、絶対に晃さんにしたいなって思ったんです。速攻で決めましたし、めちゃくちゃいい思い出になりました」
中村晃にとっては何も知らされていない状況で、まさに「サプライズ」だったという。渡邉陸も「音響の方にもあらかじめ言っておいて、『登場曲を流してほしい』ってお願いしていました。司会の方が『サプライズで、この方!』みたいになって、流しました」。師匠の代名詞でもある登場曲、エド・シーランの「Shape of You」。イントロだけで誰かわかるように、粋な演出を準備していた。
憧れの存在ではあるが、この時ばかりは無礼講。「祐介さん(伊藤打撃投手)にも『もっともっと』って言われて、晃さんも『いいよ』みたいな感じだったので」と、一口では食べられないサイズにトライしてみた。「ガッツリいきました(笑)。口周り、めっちゃついていました」と、忘れられない瞬間になった。
リアクションは「めっちゃニコニコしていたので、喜んでいたと思います」と大成功。中村晃も「嬉しかったですし、めちゃくちゃいい結婚式でした」と微笑んだ。4年連続で自主トレをともにしている師匠に、大切な場で一肌脱いでもらった。「尊敬と感謝しかないので、本当によかったです」と笑顔で話した。
妻も含めて中村家、渡邉家で食事をしたこともあるという。家族ぐるみの付き合いで、結婚祝いもしてもらったが「HERMESのものでしたね……」と、高価なプレゼントに苦笑いしてしまう。川瀬晃内野手が、ロレックスの時計をプレゼントしてもらったことは渡邉陸も知っていた。「めちゃくちゃすごいですよね。『そんなことある?』ってビックリしました」と、どこまでも先輩の心意気に憧れている。
4年連続の自主トレ。中村晃は「(自分のところでやるのは)『もういいだろ』って言っているんですけどね」と語っていたが、愛弟子は「まだ一緒にやりたいと思っていますし、聞きたいこともいっぱいあります。自分でやる選択肢はなかったです」と、今年もお願いさせてもらった。私事ではあっても、微笑ましい瞬間を共有できたことは恩返しになったはず。あとは何よりも、グラウンドでの結果で応えたい。