人的補償の舞台裏…小久保監督が見た“リスト” 首脳陣同士の「打ち合わせ」とは?

「HAWKSベースボールバーク筑後」を訪れた小久保裕紀監督【写真:冨田成美】
「HAWKSベースボールバーク筑後」を訪れた小久保裕紀監督【写真:冨田成美】

2025年初めて筑後を視察…新人に訓示「自分の時間をどう使っていくか」

 ソフトバンクの小久保裕紀監督が17日、今年初めて「HAWKSベースボールバーク筑後」を訪れた。午前中の育成練習やリハビリ組の練習から顔を出し、午後は新人合同自主トレを視察。練習後の報道陣の取材に応じた。一問一答は以下の通り。

――野手中心に見たと思いますが、野手では庄子くんが即戦力。
「ピッチャーも(ブルペンで)2人見ましたよ。まあ、今日一日だけなので、あとはやっぱり1軍の選手の中に入ってどうか、ですね。今日だけではなんとも言えないですけど。神奈川のリーグで最多安打の記録を持ってるんですよ。バットコントロールの柔らかさみたいなはすごくあるように感じました」

――キャンプの組み合わせについてはこれからですか?
「そうです。26日が最終決定なので、その前にある程度固めはしますけど。あとは各地の自主トレの故障者の状況とか、体調とかを含めてですね。最終決定は26日です」

――ブルペンで台湾から来た張峻瑋投手を見られていた。
「19歳のね。19歳にしては力強い球ではありましたね。まだそんなにちゃんとは見てないです。もちろん長い目で見て獲得したって聞きましたけど」

――新人への最初の訓示では、反復する力がないといけないと伝えていた。
「基本的には、もう生活に慣れてきたら、隙間が見つかった時に、自分の時間をどう使っていくかで差が出るので。早くそういう癖付けをしなさいねって話。あと、もうすぐ測定も始まるんですけど、もうほんとに数値化されているので。その数値は1回、2回測ったら出るんです。『この数値やから、じゃあ次はこうしてみよう』って。それは試合でも、反射で打てるには反復が必要なんで、もうそこだけ忘れちゃいけないよって。もう1、2回できたら『できた』という気持ちになるんで、そんなに甘くないですよということです」

「他人と同じことをやっていてもダメだと。でも、最初にあんまりね。怪我のリスクもあって、あのぐらいの練習をして、その後どうするか。とりあえず球団としては、管理するところの(練習)量はやっぱり少しボリュームを下げながらやるでしょう。だからその後、さっき言った空いている時間をどうするか。だって、18歳の子と大友(宗)が同じなわけないやん。全体の動きはあるけど、その後どうするか。こんな施設あるんやから、使ったらいい」

――リハビリ組の周東選手とも挨拶をしていた。
「一応『2月のキャンプに向けてやっています』みたいな話だったんで、焦ることはないっていう話はしましたけど」

――昨日の話ですが、人的補償が決まった。
「伊藤(優輔)くんね」

――オンライン会議もされた、と。
「映像は見ていないけど、報告はあったので。トミー・ジョン明けですけど、真っすぐの球速が手術前よりも上がっていて、聞くところによると、ジャイアンツでも今年かなり期待されていたピッチャー、競争枠にいたピッチャーみたいな話があったんで、そういう点では十分です。一応、先発をやってもらうつもりで獲得してるので、チャンスですよね」

――フロントから案がある中で、監督も見られた?
「そうです。誰が漏れていたかは知らないです。絞られたリストだけ見ました」

――先発起用する見込み。
「倉野コーチとの打ち合わせ的には、リストは見ていないけど、先発できそうな選手がいればみたいな話まではしていたので」

――このオフに投手が4人、入った形になりましたけど、投手力を厚くしたいっていうフロントの考えもあったと思います。これは現場としても、考えは一致していた?
「中継ぎ、抑え、1イニングを勝ちパターンでいくピッチャーは枚数的には信頼できるピッチャーが多いんですけど、あとは先発とロングですよね。イニング跨ぎできるロングっていうのは、そこが1番補強ポイントです。十分競争してもらえる環境は整ったなと思いますね」

――ドラ1の村上泰斗投手の動いている印象は?
「ご両親も(ウェルカムパーティーで)一緒に会食もしましたし、今時の高校生は皆さんしっかりしているなっていう印象です。今日ランニングの走る姿はよかったですね。いきなり1軍っていうことはないんですけど、別に高卒だから3年間、体を鍛えて4年目に、なんてことを考えず、いけると判断した時に。その辺は倉野コーチを含めたコーディネーターの育成プログラムに沿って見極めていくだけ」

――正捕手争いはどう見ている?
「もう誰が出てくるか、楽しみでしょうがないです。こんなチャンスはもうないんでね。やってくれるというか、誰か出てくるか期待してます。ワクワクしています」

――高谷コーチをお呼びしてお話してる姿を見たんですが、捕手争いのことについてお話されてた?
「そうですね。キャンプの振り分けのところも含めてちょっと、ちょっとだけ進めました」

――S組は10人くらいいる。初日からキャンプインする選手もいますけど、そこは本人の考え?
「そうです。外で打ちたい時間はランチタイムで考えています。それ以外の練習メニューは自分たちで考えてもらう。で、コーチも1人つけます。スタッフもトレーナーもつけます。だから、昼から来て打って帰ってもいいし、別に打ちたくなければ昼から来てもいいし。とりあえず15日からは全体でやります」

――初日から来るかどうかっていうのは全員確認済みですか?
「多分、近藤以外は来るんじゃない? おそらく。今のところはそう聞いてます。来ても全然別メニューですので」

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)