栗原が5月度月間MVPを初受賞…打率、打点、出塁率はリーグトップ
ソフトバンクの栗原陵矢内野手が11日、5月度の「大樹生命月間MVP賞」を受賞した。同賞の受賞は自身初。期間中の成績は21試合に出場し、打率.373、3本塁打、16打点。打率のほか、打点、出塁率(.444)はリーグトップの好成績だった。同日にみずほPayPayドームで行われた会見に出席した栗原のコメント全文は以下の通り。
――受賞を聞いての感想は。
「最後(月の終わり)の方はすごくチーム内でも話をしていましたし、聞いた時はすごく嬉しかったです」
――受賞の可能性は感じていた。
「そうですね。なんか近藤(健介外野手)さんと山川(穂高内野手)さんがライバルって言われていたので。意識していました」
――チーム内での競争に勝っての受賞。
「(月間MVPの受賞は)初めてですし。嬉しいですね」
――いずれは取ってみたいという思いもあったか。
「いや、全く。言われるまでは意識もしなかったですし、全然分からなかったんですけど。いざ取ってみるとすごく嬉しいですし、やっぱり1か月しっかりと結果を残せた結果なので。それは嬉しかったです」
――5月の成績については。
「出来過ぎてるなと」
――打撃でよかった点は。
「なんですかね。やっぱり毎日毎日、打った次の日も打てなかった次の日も、新たな気持ちで挑めたのがよかったのかなと思いますし。そういう毎日を過ごせてよかったです」
――4月はなかなか思うような数字が出なかった。劇的に数字が変わった要因は。
「やっぱり気持ちの変化が一番大きいかなと思います。いろんな先輩方のアドバイスを受けながら色々試せてよかったなと」
――一番印象に残っているアドバイスは。
「いつも試合後に一緒に練習している近藤さんや山川さんの話とじっくり話せる時間があった時に1つきっかけを、アドバイスをもらいました」
――どういった話だった。
「難しいですけど、僕のイメージというか……。元々の僕ってこういうバッターだったよね、っていう話をしてもらって。打ち方ばかりにフォーカスしていたところを、こういう打球を打ちたいなら、こういう打ち方をした方がいいよね、みたいな。考えを方向転換できたのがよかったかなと思います」
――5月の中で特に印象に残った打席や試合は。
「やっぱり(5月28~30日の)ジャイアンツ戦じゃないですかね。(高橋)礼さんと戦った打席と、泉と戦った打席が一番印象深いというか、楽しかったなと」
――楽しかった。
「一緒のチームでやっていて、すごく仲の良かった先輩だし、同級生だったので。不思議な感覚でしたけど。ヒットを打ててよかったです」
――今後に向けての抱負は。
「やっぱり柳田(悠岐外野手)さんがこういう形になって、すごくチームにとっても痛いですし、そこをなんとかカバーできるようにという気持ちは常に持ってやっていますし。そういう思いを持ちながら頑張りたいなと思います」
――柳田選手が抜けた後、3番を任されている。
「僕が3番に入ってから、山川さんの打点が伸びてないなっていうのは感じていますし。僕で終わるイニングっていうのも結構増えている。そういうところは色々と感じるところはあるので。もっともっと貢献できるようにと思ってます」
――受賞を意識したのは。
「ジャイアンツ戦が始まる前ぐらいですかね」
――最初に月間MVPを狙えるんじゃないかと言われたのは誰だった。
「近さん(近藤選手)じゃないですかね。『クリあるんじゃね』っていう話をして。でも(成績を)見ていたら、『いや、一番のライバルあなたじゃないですか』みたいな。それでロッカーで盛り上がった記憶があります」
――近藤選手の結果を意識することもあった。
「試合中はなかったですけど、試合が終わってからあーって思う時はありましたね」
――4月は打率0割台の時期もあった。打率が上がってきて、ようやく少し胸を張れる数字になってきたのでは。
「胸は張れないですけど。なかなか苦しい打席が多かったですけど、もう少し頑張ってヒットを打ったりフォアボールを取れたりした打席があったら、(打率が)3割近くいけたのかなっていう後悔もありますね」
――掴んだなという感覚は。
「掴んだな、はないですけど。いい打席、いいスイングを心がけるようにはしていますし、横浜での2日目(6月8日のDeNA戦)はあまり良くなかったんですけど。その中でまた近藤さんとちょっと話して。最後にああやって何本か打てたので。掴む日はないですけど、毎日試しながらやってます」
――その際のアドバイスは。
「スイングのことでしたね。その時は」
――近藤選手、山川選手からアドバイスをもらったのは。
「(5月1日の)楽天戦。代打でセカンドゴロを打った時ですね」
――栗原選手から声をかけた?
「いや、(翌日の試合前練習で)打っていた時に、『クリ、分かったわ』って近藤さんに言われて。あのスイングだと真っすぐは打てないし、変化球も拾えないみたいな。スイングがこうなっているよ、っていうところから始まった感じですかね。(近藤選手は)すごいっす」
――自分では分かっていなかった部分だった。
「自分の中ではこれが正解と思って振っていたスイングに対して、ベンチから感じたことを伝えてくれたって感じです」
――ハッとさせられた。
「そうですね。確かにここ2年くらいはずっと素振りが気持ち悪くて。振っている感じが力を入れても触れないし、力むし。そんな感じがずっと続いていたんですけど、ようやく戻ってきたかなって」
――開幕から苦しんできた中で、5月に復調した。気持ちの変化は。
「すごく置いていかれていた気分だったし、少しずつチームに貢献できつつあるかなと。あらためて柳田さんが怪我をされて、代わりじゃないですけど、責任や自覚はしっかり持ちながらやっていかないとなっていうのは思っているので。本当にここからだなと思ってます」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)