「どっちが行ってもいい」小久保2軍監督も太鼓判 高橋礼が2軍戦で4回無失点好投

ソフトバンク・高橋礼【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・高橋礼【写真:上杉あずさ】

板東と開幕ローテ6番目を争う高橋礼「最終目標が開幕ローテに入ることではない」

 ソフトバンクの高橋礼投手が28日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの広島戦に2番手として6回から登板し、4回1安打無失点と好投した。開幕ローテーションの最後の1枠を板東湧梧投手と争うサブマリンは、開幕前最後の登板機会で抜群の投球を見せた。

 テンポよく打ち取った6、7回、そして9回の投球には手応えを感じた。その一方で「3イニング目がちょっと微妙だったかなっていうか。下半身の感じが微妙だったので、上半身も力んじゃいました」。8回に関しては上半身と下半身のバランスに納得しなかった様子。味方の失策と粘られた末の四球で1死一、二塁とされたが、後続を難なく打ち取った。

 5つ奪った三振は、全て空振りだった。小久保裕紀2軍監督は「カーブであんなに空振り、今まで取れなかったじゃないですか。あのカーブであそこまで(バットを)出させるっていうことは、打者は真っ直ぐがかなり速く感じているということ」と高橋礼の状態の良さに頷く。

 高橋礼は「去年のリハビリから、ずっと1軍でしっかり投げるためにやってきていたんで、最終目標が開幕ローテに入ることではない」と目の前のことだけにとらわれず、シーズンを通しての活躍を誓う。「今できる全力を尽くすことが、次の課題を見つけることにもなると思う」と向上心も忘れない。

 オープン戦では「1軍で投げる機会がなかなかなくて、自分的にもモチベーションも難しい部分がありましたけど、でもやることは変わらないです。2軍でもドームだとしても、1月から取り組んできたこと、リハビリから取り組んできたことを継続していきます。開幕ローテに入れても入れなくても、しっかり戦う準備はできているんで、いつ呼ばれてもいいように準備したいと思います」と周囲の声に惑わされず、自分のやるべき事にベクトルを向ける。

 ただ、小久保2軍監督も「俺が心配することじゃないけど、板東と礼どっちが行くんかなっていうのは気になるところですね。どっちが行ってもいいなという感じ。それくらい状態がいいです」と太鼓判を押す。いずれにしても、高橋礼の今季の飛躍にかかる期待は大きいはずだ。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)