キャンプA組抜擢のドラ2大津亮介 即戦力イケメン右腕に期待したくなる冷静さ

ドラフト2位でソフトバンクに入団したソフトバンク・大津亮介【写真:上杉あずさ】
ドラフト2位でソフトバンクに入団したソフトバンク・大津亮介【写真:上杉あずさ】

「一歩踏みとどまって、ケガしないように」

 ルーキーイヤーの目標に「開幕ローテ」と掲げる。社会人の日本製鉄鹿島からドラフト2位でソフトバンクに入団した大津亮介投手は、24日に行われた監督・コーチ会議で決まった春季キャンプの組分けで願い通りにA組に抜てきされた。大津は「A組キャンプで練習出来ている自分をイメージしながらやってきたので、置いていかれないように自分なりに調整は出来ているつもりです」と自信も覗かせていた。

 新人合同自主トレではキャンプを見据え、自分のペースを守りながら調整を進めてきた。「自主トレの雰囲気と違い、(キャンプは)もっとピリついていると思うので、自分なりにプレッシャーを掛けながらやって来ました」。新人では唯一の社会人出身で年齢も経験値も一番上だが、A組の主力選手の中に加われば、周囲の年齢もレベルも一気に上がる。

「練習について行くのも精一杯になると思うので(自主トレ中も)妥協せずにやっています。まずは雰囲気に慣れることが自分のリラックスにも繋がると思う」とA組で戦うイメージを膨らませる。抜てきに気持ちも昂るはずだが、「張り切りすぎずに、飛ばしすぎずに自分らしくゆっくり調整して行けたら」と大津は新人らしからぬ落ち着きも見せてくれた。

 新人最年長の24歳には即戦力としての自覚も当然ある。その一方で「焦ることもあると思うので、そこを一歩踏みとどまって、ケガしないように無事キャンプを終えられるようにしたい」と冷静さも失わない。「自分は開幕1軍入りを目指したいので、そこにピークを持っていけるようにしたいので、今は上げている段階。飛ばしすぎずに行きたいです」とマイペースを貫く。

 というのも、大津には社会人1年目に苦い経験がある。「1年間通しての身体のコンディショニングとかが全く分からないところで、1月、2月に飛ばして投げて、前半は良かったけど、その後に落ちていった。そこは勉強になったので、その経験は活かしていきたい」と失敗を糧にする。この時期は特に肩回りの故障防止にも意識を高める。全体練習後に、肩のエクササイズやトレーニング、ケアには毎日時間をかけて取り組んでいるという。

 まずは「開幕ローテは目標にしています。先発で勝負したいです」と強い思いを口にする。ただ、ここでも冷静なのが、「あくまでも、開幕1軍のローテーションは目標なんですけど、この1年間で先発として起用されることが多くなるように、それを目標に頑張っていきたい」とシーズン通して戦える投手になることが前提としてある。目の前のアピールだけにとらわれ過ぎず、シーズン通して良いパフォーマンスが出来るように考えて取り組んでいる。

「常に平常心で制球力重視のピッチングをしたい。ホークスにはスピードが速いピッチャーはたくさんいると思うんですけど、自分はコントロールの部分で少しでも戦力になれたらいいなと思います」とホークス投手陣の中の新たなピースに名乗りをあげる。大きな目標を胸に、静かに闘志を燃やし、虎視眈々とキャンプインに向けて準備を続けている。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)