プロ2年目の春季キャンプはA組からスタート
間近で見た名手の「習慣」は驚きの連続だった。どれだけ朝が早くても、目をこすることなく、あくびの1つすら後輩に見せない。汗を流す大先輩からは、今季にかける思いが伝わってきた。「すごく充実していました。練習時間もしっかりと確保されていて、打つ量も守る量も多かったです」。今宮健太内野手との自主トレを振り返ったのは、庄子雄大内野手だ。
2月1日からスタートした春季キャンプ。庄子はA組に選出され、持ち前の守備と走塁を生かしてアピールを続けている。ルーキーイヤーだった2025年は26試合に出場して打率.235、0本塁打、2打点、1盗塁。スタメン出場も経験したが「ちょっと使ってみようという“お試し”みたいな感じだったので。打つ方でも守る方でも『使いたい』と思わせるようなプレーを見せていきたいです」と力強く意気込む。
昨年1月は新人合同自主トレに励み、キャンプインを目指した。今年は今宮のもとに弟子入り。北九州で1か月の鍛錬を積んできた。シーズン中とは違って、濃密な時間をともにする自主トレ期間。背番号6から何を学んできたのか。その“凄み”は、早朝の姿から滲み出ていた。
会員になると続きをご覧いただけます
続きの内容は
庄子が振り返る…今宮との朝の始まり
絶対に年下には焼かせない…今宮の「こだわり」
庄子が語る遊撃争い…思い出す1年前の“質問”
「同じような1か月を繰り返せるのは本当にすごい」
「野球の技術はもちろんですけど、習慣って言うんですかね。僕は正直、毎日朝起きるのもきつかったです。身体的にきつい部分もあったかもしれないですけど、周りの先輩を見ても眠そうな時はありました。だけど健太さんは僕たちよりも朝が早かったですし、そこで頑張れるということ。きつい中でも同じような1か月を繰り返せるのは、本当に大事なことだなと思いました」
“今宮組”自主トレの起床は午前6時だった。朝食を済ませて7時にホテルを出発すると、まずはジムでウエートトレーニング。球場に移動し、10時ごろからボールを使った練習を始めるという流れだった。「パッと起きる時は気持ちいいですけど、あと5分くらい寝たいなって時もありました。どちらかというと、朝は弱い方だと思います」。庄子は苦笑いするが、今宮は眠そうな姿を一切見せなかったという。徹底した準備で作り上げた名手の“習慣”。プロとして、何よりも大切な「あり方」を学んだ。
「僕たちよりも早くホテルを出て、ランニングマシンで汗をかいていたので。それもすごいなと思いました。あと健太さん、朝ご飯を食べないんですよね。なにかしら口にはしているんだと思いますけど、それもびっくりした1つでした」。自ら今宮にお願いし、自主トレをともにすることになった。早朝から始まるスケジュールにも、必死についていきながら慣れていった。「自然とアラームと同じくらいか、5分前に目が覚めるようになりました。これも習慣だと思いますし、やっぱり大事なことだなと」。
年下の選手ばかりでも…焼肉では「健太さんが焼いてくれる」
球場での練習は、長ければ午後4時30分にまで及んだ。クールダウンをしてから夕食へ。テーブルを囲むと、また新たな発見があった。「焼肉だと年下が焼いて渡すのが普通だと思っていたんですけど、健太さんが焼いてくれますね。僕たちがやらないといけないんですけど『いいよいいよ、お前は食っとけ』って。一番上の方が率先してくれるのはありがたいですし、なんだか不思議な気持ちになりました」。
今宮の“一番弟子”である川瀬晃内野手も「絶対に焼かせてくれないですね。こだわりがあるんだと思います。逆に手をつけたら悪いです」と語っていた。庄子も通った同じ道のり。多くの時間をともにしたからこそ、大先輩の素顔に触れることができた。
「去年は主力の方が怪我をして、(野村)勇さんも活躍した。小久保(裕紀)監督も今宮さんか勇さんでショートは勝負と言っていましたし、どうやってアピールしていくか。去年の契約更改で『スタメン20試合』という目標を立ててスタートしたので。いきなり試合に出るのは難しいことですけど、しっかりと結果を残しながらスタメンの座を狙っていきたいです」
2年目を迎えて表情は逞しくなったが、謙虚な姿勢は絶対に変わらない。背番号6からの教えを生かして、庄子はもっともっと成長を遂げる。
(竹村岳 / Gaku Takemura)