サプライズ抜擢は「いない」 175イニングを埋める“筆頭候補”は…小久保監督コメント全文
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記者:長濱幸治2026.01.28
- インタビュー

■2026年のスローガンは「全新(ゼンシン)」に決定
ソフトバンクは28日、プレイボールミーティング(監督・コーチ会議)を開き、2月1日から始まる春季キャンプのメンバー振り分けを決定した。小久保裕紀監督は有原航平投手が流出したことを受け、A組には先発陣を厚めに選出したことを説明。サプライズ抜擢については「今年はいないですね」と明かした。また、同日には2026年シーズンのスローガンが発表され、指揮官は「全新(ゼンシン)」に込めた思いを語った。取材に応じた小久保監督のコメントは以下の通り。
●スローガン発表会見
――「全新(ゼンシン)」というスローガンに込められた思い。
「やはり3連覇を目指すチームを作っていくにあたって、同じことをやっていては勝てないんだというメッセージを発した中で、『全く新しいチームを作るんだ』という思いの『全新』です。我々は勝って終わりじゃないので。新たに前に進んでいかなければいけない。その『前進』も入っていますし、ファンのために『全身全霊』で戦うという『全身』も入っています。それを全部ひっくるめて。3つの矢印は3連覇に向けての決意です」
――「チームを1度壊す」という発言もあった。その意図は?
「選手たちがオフに入るにあたって、どういう取り組みをして2月1日のキャンプを迎えてもらいたいか。ある程度のメッセージを出さない限りは、色々なところで『おめでとう、ありがとう』という祝福ムードのオフを過ごすので。『来年は全く新しいチームだ』というメッセージを発することによって、ある程度の成績を残した選手も安泰ではないというところを求めたので。それがそのままスローガンにもつながったというのはあります。同じことをしていては勝てないし、もっと言うと有原(航平)が日本ハムへ移籍したので。同じことはできないわけですから。そういうのも含めて、新しい戦力や若手の台頭を期待したいなということです」
――昨年のスローガンは「PS!」。プロフェッショナルという部分へのこだわりは、この「全新」というスローガンの中でも大事にしていく?
「スローガンは毎年新しくしますけど、積み重ねも多いので。やっぱり(一昨年のスローガン)『VIVA』は美しさ。これは当然、今でも自分の中に持っています。やっぱりプロとしてどうあるべきか、代えのきかない存在になるということも蓄積されて、今年の新しいチームにも反映させていくというイメージです」
――ファンにスローガンが浸透した時の一体感は、現場でどのように感じている?
「やっぱり『立ち返る場所があるっていうのはいいな』と感じています。迷った時やうまくいかない時に自分が今何をすべきかという点では、昨年も自分のプロフェッショナル・スピリッツをさらに磨くということしかなかったので。そういう立ち返る場所としてはいいかなと思っています」
――『全新』というスローガンにもポーズはある?
「今年はもうすごくシンプルで、レクチャーの時間も20秒くらいでした。矢印に向かって、3本の指を前に持っていく。これが今年の『全新ポーズ』です」
――ファンの皆さんにもやってほしい?
「『VIVA』も『PS!』もそうでしたし、今年の『全新』もファンの皆さんの間で広まってくれることが、チームのためにもなると思っています」
――このスローガンを元に、シーズンをどのように進めていきたい?
「まだ本当に開幕投手さえ決められないという、本当に新しいスタートを肌で感じています。選手たちがどれだけの準備をして、このオフを過ごしてきたか。そこを見られる2月の春季キャンプを楽しみにしています。それを見た上で、今年のチームをどうするかということを考えていきたいなと思っています」
確認した共通認識「ホークスを前に進めましょうと」
●プレイボールミーティング
――ミーティングではどんな話をした?
「ミーティングは12球団の監督会議の変更点だったりとか。あとは、A組、B組、C組の振り分けくらいですかね」
――首脳陣に対してキャンプでの指針だったりを伝えた?
「指針というか、1軍から4軍までの関係者が集まるのは多分、きょうが最初で最後なので。だから、結局これだけの大人数で組織を運営していくにあたって、目標は各軍、各部署で変わってくると思うんですよ。1軍の目標と2軍の目標は当然変わってくるし。ただ、目的ですよね。我々は孫オーナーと“目指せ世界一”、世界に通用する球団を目指すという究極の目的は全員一致していることが前提だと思うので。それに向けて、各部署の目標設定をして。我々のホークスを前に進めていきましょう、という話をしただけです」
――キャンプの組み分けに関して、抜擢というような選手は?
「今年はいないですね」
――経験豊富なメンバーがA組に入った?
「もちろん有原(航平)が抜けたことは皆さんご承知の通りなので。175イニングをどう埋めるかという点では、A組には少し先発が多い配置にはなっています。あとは、今年はWBCがあるので。その選手たちが抜けた後にS組が入ってくるような状態にもなるので。当然ルーキーもB組スタートなんですけど、必ず2月のキャンプ中にはA組に呼んで、実戦経験をしっかり積ませるというところはコーディネーターと約束しているので。最初はB組スタートですけども、必ず我々の目で見ます」
――流動性が高いというのも非常に大きなメリット。
「それはホークスの武器でもありますよね」
――キャンプ中の入れ替えも当然ある。
「あります。第3クールには、ピッチャーもB組から実戦で勝負するメンバーを呼びます。競争を勝ち残った選手で決まるという仕組みにしています」
――若手は首脳陣にアピールする機会が増える。期待するところは?
「それが目的でS組を設置していますので。実力が分かっている選手が2月1日からいると、その分こちらが見られる選手が減るわけですから。そういう点では昨年もそういう仕組みを作って、今年もそれを同様に引き継ぎながらやっていきます。今年はWBCがあるので、彼らが日本のために活躍するにはどういう練習が必要かということは、彼らに合わせようと思っている。それはチーム方針とは全く違うところで、ちょっと特例ではありますけど。今年に関しては、WBCメンバーは自分のしたい練習には全部参加できるようにしています」
――徐若熙投手もA組スタート。
「そうですね。彼も台湾代表なので、途中で出ます」

藤井は「開幕に絶対合わせろとは伝えない」
――キャンプのテーマは?
「全く新しいチーム作りというのがテーマなので。まっさらな状態で。先入観なしに、とはなかなか難しいですけど、勝てるチームをどうしたら作れるかってことを考えながら、しっかり見るキャンプになりますね」
――まっさらなチームを作っていくために、選手に期待したいことは?
「このオフにどんな取り組みをしてきたのかは、2月が始まれば分かるので。このオフにどういうことをしてきたのかを期待しています」
――サプライズはなし。
「サプライズに値する人いますか? 逆に質問したいけど」
――藤井皓哉投手は開幕に間に合うように?
「無理くりには(させない)。間に合うなら間に合うで、もちろんそれはいいですけど。途中で離れられるっていうのが一番痛いので。そこは『開幕に絶対合わせろ』というようなことは伝えていないですね」
――カーター・スチュワート・ジュニア投手は先発として期待する?
「もちろん。175イニングを埋める筆頭にはなってきますよね」
――WBCもあるが、開幕投手はキャンプ中には決められない?
「キャンプ中には決めたいです。3月の初戦のことを考えたら4回くらいの登板は必要なので。キャンプ中に決めておかないと調整が難しいと思うので」
――開幕マスクは。
「細川(亨)コーチが今年から入れ替わって(1軍に)入っていますけど、キャッチャー3人には『レギュラーを決めていないから』と伝えてくれと言ってます」
――A組の3人に?
「嶺井(博希)はS組スタートですけど、誰にでもレギュラーの可能性はあると伝えていますけどね」
――結果はもちろんだが、立ち振る舞いも重要になる。
「立ち振る舞いというか、我々が決めているものがあって。当たり前ですけどルーキーであろうが15年 目のベテランであろうが、決められたことを守るのが一番大切なので。ユニホームを着たり、着帽とかのルールはもちろんありますので、それをしっかり守らせることが一番大事じゃないですか」
――スローガンの候補はいくつかあった中で、監督も気に入っている?
「お気に入りというか、候補がいっぱいあったんですけど。去年も日本シリーズが終わってすぐ城島(健司)CBOと話をしていて。そのくらいのものがないと、同じことをしていたら多分勝てないね、っていう話をした中で。ヒアリングがあったんで、それがそう残ったっていう感じです」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)