廣瀬隆太が取り入れた“2つの習慣” 年末に届いた1通のLINEが転機「人間として未熟なので…」

廣瀬隆太【写真:長濱幸治】
廣瀬隆太【写真:長濱幸治】

コーチから届いたメッセージ…「これどう?」

 育成出身初の首位打者に輝き、二塁手部門でベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を獲得した球界屈指の名手が立ちはだかろうとも、ファイティングスタイルは崩さない。3年目のシーズンに向けて明確な目標を語ったのは、廣瀬隆太内野手だ。束の間のオフを過ごした24歳は静かな闘志を燃やし、確かな変化の手応えとともに新シーズンへの準備を進めている。

「難しいとは思うんですけど、せめて左ピッチャーの時にスタメンで出る、というのが現実的な目標です。左の時にスタメンで出られたら、70試合くらい出ることになるので。数字としてはそこが目標です」

 廣瀬が主戦場とする二塁のポジションには牧原大成内野手がどっしりと構えている。そんな中、今オフの練習自体は「基本的には例年通り」。言葉通りに打撃と守備を中心に地道な反復作業を続けてきた。だが、今年は1つ大きな違いがある。昨シーズンは守備面で苦悩し、特にスローイングに課題を感じた1年でもあった。その課題を克服するため、新たなトレーニングを導入した。きっかけは、年の暮れに届いた1通のメッセージだった――。

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続きの内容は

廣瀬選手だけが取り入れた「極秘トレ」の全貌
股関節に「乗れている感じ」を得た最新トレの成果
廣瀬選手がnoteで実践する「究極のアウトプット」

チーム内で廣瀬だけのトレーニング

「高田コーチから連絡が来て、『ちょっとこれ、どう?』みたいな話がありました。僕もそういう系のトレーニングをやってみたかったので、紹介を受けて施設に行きました」

 昨年12月17日、高田知季3軍内野守備走塁コーチから最新鋭のトレーニングを勧められた。体の可動域を広げることだけを目的とするものではなく、「正しいベクトルに力を伝える」ことを重視したもの。ウエートトレーニングと競技動作をつなぐ“中間を鍛える”ような位置づけだという。

 かねて興味を抱いていた廣瀬はすぐに「やりたいです」と返事をし、同23日に初めて施設を訪れた。福岡に戻るまでに計6回通ったが、その中で確かな手応えを得ることができた。「守備だけではなくて、打つ方も股関節に乗れている感じがします。パワーポジションに入れる感じがいいな、と。筋肉量があっても、力の向きが合っていなければ意味がないので」。その実感が、取り組みへの納得感を強めている。

 以前、高田コーチは廣瀬に対し「もっと守備に興味を持ってほしい」と語っていたことがある。オフの期間でも上達してほしいという願いは、当然背番号33に伝わった。「純粋に上手くなってほしい、という思いをすごく感じました。本当にありがたいです」。その期待は必ず結果で返すつもりだ。

掲げる“人間としての成長”

 さらにこのオフから、読書にも力を入れ始めた。人間的な成長と野球への還元を目的に習慣化し、1週間に1冊のペース、年間で50冊の読破を目標とする。読んだ本の内容は自身のnoteにアウトプットする徹底ぶりだ。プエルトリコでのウインター・リーグの際、フェリペ・ナテル3軍投手チーフコーチに紹介されたメンタルの本がきっかけになったという。

「いやぁ……やっぱり人間として未熟なので、色々取り入れようかなと。メンタル系の本は効果があると思うので、そこがすごく楽しみです。野球の結果にいかに繋げられるか、というところが一番です」

 新たに取り組むトレーニングに習慣、そして明確な目標設定。静かなオフの裏側には確かな変化がある。「大躍進の年にしたいです」。その言葉の通り、正しい方向にベクトルを向け、勝負の3年目に挑んでいく。

(飯田航平 / Kohei Iida)