「ダメなんですかね?」牧原大成が確認したルール 海を越えて届いた“弟子入り志願”

緒方理貢(左)と話す牧原大成【写真:竹村岳】
緒方理貢(左)と話す牧原大成【写真:竹村岳】

1月5日から自主トレを開始

 新たなシーズンを控える中で、これまでにない取り組みに挑む。5日から佐賀県鳥栖市で自主トレをスタートさせた牧原大成内野手。春季キャンプに向けた重要な時期に、意外な場所からの“来訪者”が新たに加わるという。

「6日から来ます」。そう明かした牧原大の表情はいつも通り淡々としたものだったが、その瞳にはプロ野球界でも異例のチャレンジをする者としての「責任感」が宿っているようにも思えた。優勝旅行中のハワイで牧原大が口にしたのは、意外な言葉だった――。

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続きの内容は

ダイエー時代の縁が繋いだ意外な人物とは?
海を越えた弟子に伝授する「守備の極意」の中身
育成時代と異なる牧原大成の「新たな責任感」

「海外の高校生を自主トレに参加させるのってダメなんですかね?」

 1月6日から「Team Mackey」の一員となったのが、ハワイの高校に在学し、遊撃手としてプレーする1人の若者だ。プロ野球界でも珍しい取り組み。牧原大はプロアマ規定に触れないことを選手会に確認したうえで、自主トレへの参加を快諾した。

「(その選手の)お父さんがもともとダイエーのテスト生で、倉野(信次投手コーチ)さんとかと仲良くて。それで知り合いから頼まれました。いい経験になってくれたらいいですね。せっかく向こうから来るので」

 昨季は育成出身選手として初となる首位打者に輝いた牧原大。自身にとって2026年はより重要な1年となることは間違いないが、将来有望な若者のために一肌脱ぐ決断をした。義理堅い33際は柔らかな笑顔を浮かべた。

海を越えた“弟子”に伝える「日本流」

 海を越えて届いた想いに応える。その選手の父親が通訳を務めることで言葉の壁を取り除き、背番号8の言葉と経験を伝えていく。「僕ももう、一緒になって無茶苦茶きついこと(トレーニング)はできないので」。冗談っぽく笑ったが、すぐに真剣な眼差しでこう続けた。

「ある程度、日本なりの厳しさというか、そういうことも伝えられたらなと。守備も教えてくださいと言われたので。そこもやれたらいいかなと思いますけどね」

 育成時代には自らのためだけに、がむしゃらにプレーしていた牧原大が、1人の青年の“道しるべ”となる。 言葉も文化も違う若者に、「日本なりの厳しさ」と「守備の極意」を伝えていく。グラウンドでの鋭い眼差しはどこにもなく、その語り口は驚くほど穏やかだった。

(飯田航平 / Kohei Iida)