ついに柳田超え…11年ぶり“新王者” 「見たことない」爆売れ商品、グッズ代ランキング

周東佑京のユニホーム【写真:竹村岳】
周東佑京のユニホーム【写真:竹村岳】

5年ぶりの日本一…“グッズ戦線”に見られた新たな変化

 今年も鷹フルは、ホークスにおけるリアルなグッズランキングを調査しました。取材に応じたのは、事業統括本部マーケティング本部MD事業部MD企画課の深田哲平課長と、広報室広報企画課の吉田由佳さん。“新王者”、さらには大幅に成績を伸ばした新星の誕生など、「売り上げ」という側面から選手の人気に迫りました。過去に例を見ないほど「めちゃくちゃ売れた」のは、SNSのワードから着想を得た“あのグッズ”でした。

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 5年ぶりの日本一を掴み取った2025年。グッズ代における売り上げも、昨年比で「105から110%ほど」伸ばし、過去最高の数字を記録した。深田課長も「毎年引っ張ってくれるレギュラー陣に加えて、若い選手が活躍してくれたことが、売り上げにも大きく貢献してくれました。選手個々に少しずつファンがついてきてくれている。そう考えると、比較的“純増”と言える状況です」と頷く。繰り広げた激闘を形にしようと、球団サイドも試行錯誤を重ね続けていた。

 毎年、集計は3月からスタートして2月末で締められる。まだ“締め切り”まで2か月を残してはいるが、売り上げにおける“最新ランキング”が明かされた。新しいチャンピオンは、周東佑京内野手だ。

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続きの内容は

周東佑京を1位に導いた、具体的な「売れ筋グッズ」
売り上げ4分の1を占めた「わいのタツル」の衝撃
伸びた川瀬・正木の売上から見えた「ファンの心理」

11年ぶりに新王者となったのは周東佑京

 今季は96試合に出場して打率.286、3本塁打、110安打を記録。36盗塁で自身4度目のタイトルを獲得した。惜しくも規定打席には到達しなかったが、その活躍ぶりはしっかりと数字に表れていた。深田課長も「2023年、WBCに選出されてから認知度が上がったと思います。チームの成績はもちろん、周東選手個人の成績もリードオフマンとして活躍されたので。そこに比例しているのかなと」と頷きながら語った。

 ピンクフルデーや鷹祭SUMMER BOOSTなど、イベントのたびに新しいグッズが展開される。「どういう商品を出すにしても、主力の選手がグッズ展開の軸になるので」。押しも押されもせぬレギュラーとなった周東。その存在感はファンにもしっかりと伝わり、根強い人気となって数字にも表れている。深田課長は「周東選手だとフェイスチェーン、あと二頭身の『ミニぬいぐるみ』の売り上げが高かったです」と具体的に話した。

 10年間、1位に君臨していたのは柳田悠岐外野手だった。トリプルスリーを達成した2015年以降、売り上げという面でもトップを記録。今年は周東に譲ることになったが「僅差」の2位で、その人気ぶりは当然、健在だ。「変わらず、やはりベースのファンがすごく多いなという印象です。1度“波”に乗ると(球団側としても)なかなか外せない存在になりますし、一定の数字、売り上げの規模が期待できるんです。長年続けた柳田選手はもちろんすごいですし、周東選手もその域に入ったんじゃないでしょうか」と推察していた。

「わいのタツル」タオル【写真:竹村岳】
「わいのタツル」タオル【写真:竹村岳】

柳町達が新しく“主力級”のラインにランクイン

「年間でこの金額を超えれば主力級」と、球団が目安にしているラインがある。2024年と同じく、そこに入り込んだのは9人だった。8人のタイトルホルダーが生まれ、新しい戦力が次々と日本一に貢献した2025年。中でも、売り上げを伸ばしたのは柳町達外野手だ。深田課長が「見たことない」と唸るほど、昨年比で“倍以上”のジャンプアップ。大きな要因の1つが「わいのタツル」だったというのだから驚きだ。

「このタオルがめちゃくちゃ売れたんですよね。まさに“飛び道具”になりました。もちろんタイトルを獲得して、キャリアハイの成績を残したことが一番大きいと思うし、活躍に比例して売り上げのベースも上がるんですけど。『わいのタツル』のタオルが、柳町選手の売り上げの4分の1くらいはありましたから。『ホットワードタオル』は何種類か展開したんですけど、ダントツでしたね」

 柳町はピンクフルデーのキービジュアルにも選出され、5選手の“センター”を担っていた。球団目線でも、もとから女性人気が高かったという。最高出塁率のタイトルを手にし、名実ともに主力選手の仲間入りを果たした。「ピンクフルデーでいうと、普段は見られない私服姿がグッズになったりしていました。露出が多い選手は展開もしやすいですし、そういうところも積み重なっていったんだと思います」。爽やかさもチーム屈指の背番号32は、もうホークスには欠かせない存在だ。

 その他にも今宮健太内野手や中村晃外野手、栗原陵矢内野手ら根強い人気を誇るメンバーたちも、売り上げの上位にランクインした。昨年比で数字が伸びたのは川瀬晃内野手や、正木智也外野手ら。「川瀬選手は印象に残るシーンが多かったですよね。正木選手も、怪我はしましたけどそれまで2本塁打を残していました。ホークスファンからの『この選手を使っていくんだ』『長い目で応援したい』という気持ちが、ユニホームの購入などにつながったのかと思います」と深田課長。昨年とはまた違った、2025年の“色”が出た1年間だった。

(竹村岳 / Gaku Takemura)