宮崎の送別会に2000年世代の7人が参加した
歩む道は違っても、思いはずっと変わらない――。11月中旬、筑後にある居酒屋で行われた2000年世代の同学年会。10月末に戦力構想外通告を受け、11月13日にロッテ入団が発表された宮崎颯投手の送別会として行われた。
「宮崎が行っちゃうから、どう?」。渡邉陸捕手と中村宣聖3軍用具担当兼3軍サブマネジャーの呼びかけで、宮崎、前田純投手、木村光投手、西尾歩真内野手、重松凱人外野手の合計7人が参加した。
「同い年といると本当に気楽っす。すごい楽しいんですよね」。「わちゃわちゃしてましたね(笑)」。参加した選手が次々と口にしたのは“同学年愛”だった。年月が経つにつれ、チームを離れる選手が増えてきた中で、選手たちが明かした同学年への思いとは――。
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木村光が明かす、宮崎の移籍を喜ぶ「意外な理由」
西尾歩真が胸に秘めた、宮崎への「悔しい感情」とは
前田純が明かす、同期3人で誓った「支配下の約束」
「みんな仲が良いので。もちろん、チームを離れていくのは寂しいんですけど。でも、一緒の球団にいたら誰かが出られないこともあるので。宮崎みたいに覚悟を決めて、活躍するために道を変えていくのは本当にうれしいことなので」
そう語るのは木村光だ。昨オフに吉田賢吾捕手、2023年オフには水谷瞬外野手と、2年連続で2000年世代の仲間が現役ドラフトで移籍した。「自分も1軍で活躍して、会った時に『頑張ってるね』って言い合えるように。自分もやらなきゃいけないなと思います」。宮崎とも互いに1軍で再会できるように、活躍を誓った。
一方で宮崎と同じく育成で入団し、3年目を終えた西尾が吐露したのは悔しさだった。「あいつ(宮崎)が入団してすぐに手術を受けたり、苦労しているところを見ていたので。復帰してすごい投球をして、支配下になるところを見て、悔しい気持ちもありました。僕も頑張らんといけないなと」。育成から支配下へ駆け上がった宮崎の存在が大きな刺激になっていた。
前田純、宮崎、水口の“3人の絆”
「ご飯とか行ったりして『3人で頑張ろうな』っていうのはすごくありました。(木村)光が入団後すぐ支配下になったので、『絶対俺らも支配下になろうな』みたいな会話はしていました」。そう明かしたのは、2022年育成ドラフト10位で入団した前田純だった。「3人」とは同期入団の水口創太投手、そして宮崎のこと。寮でともに時間を過ごすことも多かった。
年々、一緒にいる時間が減っていった中で、水口が今オフに戦力構想外の通告を受け、宮崎はロッテに移籍することになった。「寂しいですけど、水口は本当に頭が良いですし、自分の人生を見出せる人だと思うので。2人に負けないように、自分は自分の人生を頑張りたいです」。前田純は優しい笑顔で真っすぐな思いを明かした。
大卒3年目を終えた時点で、多くの選手が新たな道に進んでいる。前田純は「自分もいつどうなるかわからない立場にずっといるので。やらなきゃなって思います」。負けないように――。それぞれの心の中には、変わらぬ同期への思いがあった。
(森大樹 / Daiki Mori)