――イヒネ選手や笹川選手に「期待している」との言葉をかけた。今シーズンの成長をどう見ていた?
「2人とも苦労をしながら、一方でダイヤの原石というか。すごい良いものを持っているけれども、粗削りというか苦労しながらやってきましたので。笹川選手で言うと去年はちょっと(1軍戦に)出て、今年は26試合ですかね。当然、1年を通じて活躍するのがレギュラー選手ですけど、1軍でいいところもあり、通用しなかったところもある。2人とも1軍を経験したことによって、2軍に落ちた後の取り組みもしっかりできていたところが、去年よりも成長した部分かなという話をしました。今後はそれを生かして、来年はもっと1軍で試合に出て、チームを代表する選手になってもらいたいと。2人については思っています」
――イヒネ選手は、今季後半に2軍で目覚ましい成績を残した。
「3年目なのであれなんですけど。やはり怪我をしないことと、あとは1軍を経験したことで、自分の“行かなきゃいけないところ”のイメージができたという話をしていました。そういうきっかけを与え続けることが大事だと思いました」
――石塚選手は2軍で打率3割超え。それだけのポテンシャルがあるということも評価になった?
「そうですね。バッティングが売りの選手で、そういうところを評価しました。彼なんかは、もう競争の世界ですので。いかに打つかということです。守備も元はキャッチャーですけど、外野にもチャレンジしているので。1軍の担当コーチが一流までいかなくても、バッティングを生かして守らせてもいいなというくらいのレベルにはなったねと。後は競争の中で頑張ってもらいたいと思います」
――笹川選手ら若手がトラジェクトアークを使って、1軍でもある程度の対応ができた。今年からみずほPayPayドームにも設置されたが、その効果は感じている?
「まさに笹川選手もそうですし、石塚選手もですね。筑後だけにある場合は、1軍に帯同しているとトラジェクトを使えなくなる。主力選手が対戦相手に備えるケースもありますけど、1軍に帯同して試合に出たり出なかったりという選手が、きっちり毎日実戦経験ができた。実はそこが選手育成の難しいところで、1軍で使ってもらいたいけれども、控えにいると出場機会がなくて。勝ち負けを気にすると、そこまで無理をして使えずに打席が少なくなってしまう。そういう点ではトラジェクトアークがあって解決している部分もあるかなという感じです」
――トラジェクトアークの台数を増やす考えは?
「それはもう随時、どんどんやりなさいとオーナーに言われていますので。考えています」
――今オフのウインターリーグに育成選手が参加していないのも、筑後の練習環境が整っていることが大きいか。
「それもありますね。他球団もそういう方針になってきているので。例えば台湾とかも出るチームが少なくなってきている。我々もそういう方針ですし、他球団もそういうところがあるので、結果的にそうなっていると。あとはプエルトリコ、台湾、沖縄と、選手のステージに応じて必要なところに行くみたいな感じで。他の選手は筑後で練習すると。多角化しているという感じでしょうね」
――今年のドラフトでは支配下で二遊間の選手を取らなかった。イヒネ選手が今年出てきてくれたことへの期待もある?
「そうですね。だから取らないというわけでもないですし、いろんなご縁もあるのであれなんですけど。イヒネ選手には期待をしていますので」