長谷川コーチが指摘した日本一の要因「そこに差がついた」 柳田が変えたチームの雰囲気

長谷川勇也打撃コーチ兼スキルコーチ【写真:栗木一考】
長谷川勇也打撃コーチ兼スキルコーチ【写真:栗木一考】

新設されたスキルコーチ…1年を終えて吐露した思い

 5年ぶりの日本一に輝いたホークス。鷹フルでは、コーチ陣1人1人の言葉から2025年シーズンを振り返っていく。長谷川勇也R&Dグループスキルコーチ(打撃)は、新設された役職で1年間を走りぬいた。“正解”を探し続けた日々で感じた、新たに作り上げていかなければならないホークスの「伝統」とは? 5月上旬からベンチに入るようになり、頂点に駆け上がるまで――。「間違いなくターニングポイントだった」と語ったのは、柳田悠岐外野手の存在だった。

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スキルコーチが語る「正解」への道筋とは
日本一に「真の貢献」を果たした存在は
柳田悠岐が変えた「チームの空気」

――スキルコーチとして過ごした1年は、どんなシーズンだった?
「まだ答え、正解が見つかっていない感じですかね」

――明石健志R&Dグループスキルコーチ(打撃)に聞いても、同じことを言っていた。
「バッティングに関して、ホークスとして『こういうアプローチをしていく』っていう(統一した)ものを、早く作っていかないといけない感じはしましたね」

――打撃成績でいえばチーム打率.257、551得点はリーグ1位だった。結果というよりも、選手に対するアプローチに関して、考え抜いた1年だった?
「それ(打撃成績)はあまりですね。運みたいな部分もあるから、そこまで気にしていないですけど。この先の何年後も、選手に対して変わらぬアプローチができるような形を作るには、まだしばらくはかかる。ゆくゆくは打撃指導をするうえで、『こういう形でアプローチしていきます』っていうものができればいいなと思います。コーチ陣が入れ替わったら指導が変わるんじゃなくて、ホークスとして10年も、20年後も『こういう形で選手を育成していく』というものができるように。まだまだ時間はかかりますけどね」

今年の強さについては即答で「ピッチャーです」

――今年のチームに見た強さ。
「ピッチャーですね」

――意外な答え。
「やっぱり中継ぎの3人(藤井皓哉投手、松本裕樹投手、杉山一樹投手)でした。(自分の管轄は)バッターですけど、3人がゲームを最後に締めたので。あのうちの1人でも、途中でパフォーマンスが崩れていたら優勝はなかったと思います。日本ハムとの差はそこに出た。攻撃陣と先発はほぼ同格。中継ぎのところで結構差がついたと思うので。そこが最後、(優勝争いにおいて)競った場面で勝ち切れた要因だったと思いますけどね」

――5月上旬からベンチに入るようになった。印象的なシーンは。
「シーズン後半になるにつれて、頼もしさを感じるようになりましたね。僕と伴(元裕メンタルパフォーマンスコーチ)さんが入った頃はベンチの雰囲気もあまり良くなくて、1つのミスを引きずったまま次のプレーに入っていく選手もいました。切り替えられるような空気感ではなかったのかなと思いますけど。後半になればなるほど目の前のプレーに集中する姿や、ワンプレーごとに切り替えて臨むためのベンチワーク、声の掛け合いというのができていました」

「プレッシャーのかかる場面ばかりだったんですけど。そういう意味では、優勝争いをしながら選手の成長を感じられたのは非常に嬉しかったなと思います」

柳町達のティー打撃を見つめる長谷川勇也打撃コーチ兼スキルコーチ【写真:栗木一考】
柳町達のティー打撃を見つめる長谷川勇也打撃コーチ兼スキルコーチ【写真:栗木一考】

重圧がかかる終盤戦…率先したのはベテランたち

――今季ほどのデッドヒートはなかなかない。一丸となった雰囲気を強く感じたのでは。
「プレッシャーがかかるゲームなんだけど、だからといって特別何かができるわけではない。自分の持っているものでしかプレーできないので。よりそこに集中してやっていこうという選手の意識も感じましたし、そこは経験のあるベテランが引っ張ってくれました。重圧がある中でも普段と変わらず。だけどプレーの質や集中力を上げてやる姿を、率先してやってくれたから。チームとしての雰囲気も、優勝という方向に向かって一つになれた。経験という意味でも、他のチームと差を出せたのはそこだったのかなと」

――柳田悠岐外野手が9月22日に1軍合流した。終盤戦、ポストシーズンを引っ張ってくれた。
「間違いなくチームの雰囲気が変わった、ターニングポイントの1つだったかなとは思います」

(竹村岳 / Gaku Takemura)