4軍戦に「来てよかったな」 正木智也が見せた“会心の笑顔”…育成選手に与えた影響

正木智也と大越基4軍監督【写真:飯田航平】
正木智也と大越基4軍監督【写真:飯田航平】

正木智也は4回で交代に…指揮官驚愕の先頭打者弾

 ソフトバンクの4軍は9日、宮崎サンシャインズとの九州アジアリーグに臨み22-6で大勝した。この試合では、左肩関節亜脱臼に伴う左肩関節バンカート修復術を受けていた正木智也外野手が約5か月ぶりに実戦復帰。「1番・左翼」で先発出場すると、先頭打者本塁打を放つ衝撃の復活劇を見せた。さらに、盛島稜大捕手は満塁弾を含む2本塁打の大暴れだった。試合後、大越基4軍監督が取材に応じた。主なコメントは以下の通り。

――正木選手が復帰戦でいきなりのホームラン。
「だいたい何か月ぶりとかの復帰の1打席目だと、その試合ってタイミングが合わないものなんですよ。それを持っていくんですから。打った瞬間でしたよね。いやもう、本当にすごいなと思いました。声出しでもありましたが、そんなに緊張はしていなかったと思うんですけど、久しぶりだから」

「わざわざこの延岡にまで来て、1試合だけじゃないですか。交代した後に『来てよかったな』って言ったら、もう会心の笑顔だったので。彼の中で、打席をもらって立ったのがとても良かったと。結果じゃないですけど、これからやっていく上でホームランっていうのはすごい自信になる。まだ1軍のシーズンも終わっていないですし、これからって時だから。早くタイミングとか、実戦の勘を取り戻して1軍に行ってほしいと思います」

――あのホームランが若手に与える影響はどう感じましたか?
「同じようなタイプのバッターの漁府(輝羽)とかには。腕の使い方が柔らかいので、『比べたらやっぱりちょっとお前は硬いよ』と。『だから盗むところは盗みなさい』っていう話はしています。すごいお手本ですよ」

――今後の正木選手の起用法は?
「今は4軍じゃないです。リハビリ組の管轄なので。リハの人とコミュニケーションをいっぱい取って、起用法が決まっていくと思います。だからきょうの試合に出て、本人が何ともなかったら、また4軍戦あるので、多分来るんじゃないですかね」

――2本塁打の盛島選手の成長はどう見ていますか?
「盛島も成長していますからね。その成長の度合いを急がせてしまうと、本人もストレスとかになってしまうけど。もっともっと急いでもいいのかなと個人的には思ってますけどね」

――大差がついた試合でしたが、最後まで選手の集中力は続いていたように見えました。
「(森笠繁)バッティングコーチがいいからですよ(笑)。うちのバッティングコーチがもう、あんな点差になってもちゃんとアドバイスをしているので。それが多分選手に浸透しているので、そこだと思います」

――打席を求めるような姿勢に見えました。
「そうですね。打てなかった選手は悔しがっていましたから。そういう面ではすごい良い。個々を成長させるために我々は育成をやっているので。そこは点差じゃなくて、すごくいい試合だったなと思います」

――シーズンも終盤ですが、育成選手の成長をどう見ていますか?
「育成ってシーズンオフがないっていう考え方もあるので。これから試合が2試合ありますけど、そのあとも、成長させるためっていうことを考えながら。人間的なことだったり。簡単に言ったらスリッパや靴を並べさせたりとか、そういうことも含めてどんどん成長させていきたいなとは思います」

(飯田航平 / Kohei Iida)