オイシックスに派遣された宮里優吾
福岡から新潟に拠点を移して3週間――。厳しい環境で一層“思い”は強くなった。「ホークスで支配下になりたい。1番強いところで支配下になりたい」。オイシックスに派遣されている宮里優吾投手の目線は、すでに来季を向いていた。
今季、ウエスタン・リーグでは17試合に登板して自責点1、防御率0.48。圧倒的な成績を残しながらも、現実は厳しかった。7月末の支配下登録期限までに吉報は届かず。7月25日にみずほPayPayドームで行われた1軍のライブBPに登板した直後、球団幹部から今季中の支配下登録がないことを言い渡された。
同時に告げられたが新潟派遣だった。「最初はもう全部混乱してしまって、なかなか飲み込めなかったんですけど……」。一方で、支配下が叶わなかった以上は2軍で投げる機会が増えるのはチャンス。「オフシーズンのウインターリーグとかでは遅いみたいに言われたので、『やってやろう』と」。気持ちをもう一度作り直した。
派遣後はここまで2登板で無失点と好成績を残している。「ウエスタンからイースタンに変わって、全部の球場が初めてですし、正直厳しい環境だなとは思いますけど……」。新潟での生活、心境の変化を明かした――。
ホテル暮らし…明かした新潟生活
「試合後のケアがセルフになるし、ウエートトレーニングも自分でジムを探してやらないといけない。栄養面とかも自分で管理しないといけないので……。自分のためにもなるんですけど、難しさもありますね」。ホークスでは寮で食事が出て、ウエートルームにもすぐに行くことができた。一方で、現在はホテル暮らし。食事もトレーニングも自ら管理している。
慣れない移動にも苦しんだ。オイシックスでは所沢や仙台など、4〜5時間の移動が度々ある。「早く慣れないとなっていうのはありますね」。それでも「ホークスに帰った時に苦じゃなくなってるとか、『こんなことができるようになったんだ』みたいなのを感じたいですよね」と話す。
川口の支配下で悟った現実「正直厳しいかなって」
2軍で好投を続けた今季、支配下登録への手応えはあった。一方で、「正直、川口(冬弥)さんが支配下に上がった時に、右投手が多いので厳しいかなと思って」。フロントからも編成上の都合と言われ、納得するしかなかった。
それでも、オイシックスの派遣は前向きに捉えている。「イースタンも強いところが多いので。いい選手と対戦したいですね。楽天とかも前まで浅村(栄斗)さんがいて、ヤクルトも村上(宗隆)さんいたので投げたかった」。宮里と同時にくふうハヤテに派遣された大竹風雅投手は、12日のホークスとの2軍戦が今季初登板だった。
「(リハビリ中の)栗(栗原陵矢)さんとか今宮(健太)さんとかもいる中だったので。めっちゃ僕も投げたかったです。そこで投げて抑えたら一番じゃないですか」
1軍では藤井皓哉、松本裕樹、杉山一樹の3投手をはじめとした強力な救援陣が結成され、チームはパ・リーグの首位を走る。「今の勝ちパターンはえぐいじゃないですか。あそこに食い込めるくらいになりたい」。オレンジのユニホームを身に纏い、強く心に誓った。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)