育成3年目の西尾が3安打のアピール
ソフトバンクの2軍は30日、みずほPayPayドームで行われたウエスタン・くふうハヤテ戦に8-3で勝利した。初回に石塚綜一郎捕手が左翼席へ先制の3号3ランを運ぶと、4回にはイヒネ・イツア内野手が3号2ランを右翼席に叩き込んだ。イヒネ、川村友斗外野手、育成3年目の西尾歩真内野手がそれぞれ3安打をマーク。先発した東浜巨投手は5回3失点の内容だった。試合後に取材対応した松山秀明2軍監督のコメント全文は以下の通り。
――打線が活発だった。
「本当にいいところでヒットもホームランも出てくれて。チームとして(試合を)運びやすくなってくるし、ピッチャーも投げやすくなるので。そういう点でいい場面でヒットがたくさん出てくれたのは良かったですね。」
――特に初回の石塚選手の一発が大きかった。
「そうですね。彼にとってもいいホームランだったと思いますね。(8番に座った)イヒネも3本ヒットを打って。下位打線でもヒットを打ってくれると、チームとして得点力が上がってくるので。そういう意味では本当にいいゲームでした」
――石塚選手は去年も2軍で打率3割近く(.297)をマークした。今年はもう1つ上のレベルか?
「今彼と話をする中でも、やっぱり1軍でどう打っていくかというところ。2軍では結果を出しているし、あとは1軍のピッチャーをどうやって打っていって、打率を残していけるかっていう段階になってきていますよね」
――石塚選手は山本恵大選手と同じレベルまで来ている?
「やっぱり1軍で打てるか打てないかってなると、1軍で結果を残せる人達って広角に打てるんですよね。反対方向に打ち返す技術がいる。逆に引っ張ってヒットを打つって1軍ではすごく難しいんですよ。やっぱりボールも強いし、変化球のキレもいいので。なかなか引っ張り込んでヒットを打っていくっていうのは、1軍の試合の中では難しい。アウトコースのボールや落ちるボールに当てていくかとなると、やっぱりセンター、反対方向を中心にヒットを打てる選手が結果を出しやすいのが1軍なので。石塚は当然、レフトへのホームランは打てるわけですよね。ただ、あとはアウトコースの落ちるボールを、どうやって右中間、ライト、センターに打っていけるか。そこが彼の課題ですね」
笹川のバロメータは「詰まったヒット」
――笹川吉康選手も同じような課題か?
「そうですね。打率を上げていくためには、やっぱりセンター中心に。反対方向にもしっかり打てるようにならないと、安定したバッティングっていうのはなかなかできない。本当に1軍の選手でも、引っ張るだけでは(打率)2割5、6分しか打てない。真っ直ぐを引っ張り込んで、ヒットやホームランを打つっていうことは、1軍では本当に難しいことなので」
――笹川選手は最近ホームランも出ている。
「しっかりボールの内側を叩いて、ゴロにならずに、うまくバットとボールが当たっている。引っ張っているんですけど、バットとボールの当たり方が違うというか。逆に詰まってもセンター前へのヒットになるし、詰まって右中間へのヒットが出てきたので。最近良くなったっていうのは、そんな感じですよね。強引に打ってなかったので。バットの芯に当たらないとヒットにならないんじゃ、打率は残らないので。自分が崩されようが、詰まらされようが、それをヒットにできるバットコントロールがないと、なかなか成績って残しにくいですよね」
――イヒネ選手の打撃好調は精神面も影響しているのか?
「精神面だけでは打てないですよ。当然ここ一番の場面となると、気持ちが優先されるっていうこともありますけど。アベレージに関しては、やっぱり技術がないと残らないですよね。まぐれは続かない。最低限の技術を持っていないと、アベレージって残せないんですよ。気持ちだけでは残らないです」
――イヒネ選手は打撃フォームも変わっている。
「今年の春先からバットを短く持って打ったりとか、スイングを小さく、レベルに振っていくことをずっと続けてきて。最初は結果が出ていなかったですけど、スイング軌道は良くなってきていたので。それが今、結果に結びついてきたという話ですね。3月くらいからもうずっとやってきているので」
――この1ヶ月は月間打率が3割を超えている。
「1軍に呼んでもらったこともあって刺激をもらっているでしょうし、彼にとってメンタル面も、技術面も全てマッチングしてきたというところが今の結果に結びついてきているので。最初に結果は出なかったけど、ずっと続けて結果が出始めたっていうところなので。全然まぐれではないですね。」
川口は「力の伝わりがちょっと弱いかな」
――この状態を続ければ、実力で1軍に推薦できるレベルになりそうか?
「そうですね。走力も含めて武器をたくさん持っているので。そういう意味ではチャンスは広がってきますよね。内野安打も彼の武器なので」
――支配下登録を狙う西尾選手も結果を残している。
「きょうもしっかり残してね、こればかりは本当に僕たちが決められることでもないですけど。ただ、彼なりにアピールをして、結果も出している。立場的にはそれを続けていくしかないので」
――西尾選手は先発起用されるたびに安打を重ねている。
「ずっと打っていますよね。本当に(試合に)出れば、2安打しているような状態なので。今は絶好調ですし、チームの勝利にすごく貢献してくれているのは事実ですね」
――川口冬弥投手は真っすぐが145キロ前後だった。1軍に上がる前と今で変化は感じる?
「やっぱりボールに伝わっている力がちょっと弱いのかなっていう感じはありますね。上がる前と今では。そこはバランス的なものだとは思うので。春先にもこういう状態があって、それがまた戻ってくるということも2回くらいあったので。今回も早く戻れればっていう感じですね」
――前例がある。
「2月も最初は良くて、後半に良くなくなった。それがシーズンに入ったら上がってきたので。本人も(球速が落ちるのが)初めてのことだったら、僕たちも不安ですけど。2月の時もあって、5月か6月くらいにも良くない中で2軍では抑えてこられたので。でも、1軍ではちょっと良くなかったら抑えられない。そこの違いもあるんですけどね」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)