上沢直之が背負う重圧「感じるものはある」 明かしたマイナー生活…鷹キャンプとの違い

インタビューに応じた上沢直之【写真:冨田成美】
インタビューに応じた上沢直之【写真:冨田成美】

上沢が示した覚悟「3月に近づくにつれて色々感じるものはある」

「当然、色々かかるプレッシャーはある」。普段と同じ静かな口調に覚悟が滲んでいた。上沢直之投手は今季からホークスに加入し、キャンプをA組で終えた。「今ある課題を1つ1つ潰していって、チームに貢献ができたらなと思います」。そう意気込んだ。

 キャンプ中、全体練習を終えると室内練習場にこもった。ネットスローや、傾斜を使ったシャドーピッチング、キャッチボールなど、自主練習に没頭。練習が終われば、バスに乗るまでの時間はサインペンをひたすら走らせた。「特別、今回変わったことをしているわけではない」としつつも、ファンの数で自らの注目度も感じていた。

 昨季は1年間米国でプレーし、ホークスの選手として迎えた初の春季キャンプ。「色々、自分で練習させてもらいました。全体練習が午後までやっているのかなってイメージだったんですけど、そんなことなかったですね」と印象を語る。米国のスプリングトレーニングでも全体練習というものはほとんどない。自ら考え練習する時間が多い点においては、ホークスのキャンプと近いようにも見えるが、上沢は違った環境だと話す。

 昨オフに日本ハムからポスティングシステムを利用してレイズとマイナー契約。開幕前にオプトアウト(契約破棄条項)を行使してレッドソックスに移籍した。5月にはメジャー出場前提となる40人枠に入り、2試合に登板したが、その後はマイナー暮らしだった。

レッドソックス傘下のマイナー3Aウースター時代の上沢直之【写真:Getty Images】
レッドソックス傘下のマイナー3Aウースター時代の上沢直之【写真:Getty Images】

 日本以上に入れ替えも激しく、環境も厳しいマイナーリーグ。メジャーとは違ってブルペン捕手はおらず、投げ込みたくてもできない日々があった。「キャッチャーはキャッチャーで自分の練習がある。試合前の決まった時間でやるしかない。その時には受けてくれますけど、バッティングやキャッチャーの練習もあるので。全体練習が終わった後に受けてくれるとかは、マイナーではないですね」。

 その点、スタッフが充実しているホークスでは連日納得がいくまで練習を行うことができた。「受けてほしい時に受けてもらえるブルペン捕手の方もいますし、練習を手伝ってくれる投手コーチもいる」。このキャンプでも周りの支えを受けながら、練習に時間を注いだ。

「納得するまでやってダメなら、その時の失敗は今後につながるかもしれない。自分が納得いくまでできないで失敗するのとでは次へのステップも変わってくるので」

 最高な環境であることを理解しているからこそ、言い訳はできない。「開幕に近づくにつれて色々感じるものはありますし、もっといい状態に持っていきたい思いは強いですね」。ホークスを勝利にもたらすことだけをひたすら考えている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)