中村晃の前で「全然ふざけます」 谷川原&柳町の3人が語り合う…発見した意外な一面

笑顔の柳町達(左)と中村晃【写真提供:西田哲朗広報】
笑顔の柳町達(左)と中村晃【写真提供:西田哲朗広報】

■今キャンプで最初の休日の5日…4人で出かけたのは焼き肉店

 春季キャンプといえば、チームの基礎を築き上げる時期。日が暮れるまで白球を追っていれば、自然とナインの絆も深くなる。今キャンプ初めての休日となった5日。食事に出かけたのが中村晃外野手、柳町達外野手、谷川原健太捕手、西田哲朗広報だった。

 場所は、宮崎市内の焼き肉店。後輩には後輩の予定があり、先輩である自分が声をかけることで気を遣わせる。「僕からはあまり誘わない」と中村晃から聞いたこともあったが「誘う時もありますよ。もともとお店を4人で予約していたので、誰を誘おうかなって思って。タニは久しぶりでしたね。今年、なんかよく話をするので」。

 西田広報は「『タニ、なんで誘ったんですか?』と聞いてはいないですけど、期待しているんだというメッセージだと思うんですよね」と推察していたが、背番号7のベテランは「いやいや、頑張ってほしいですけど、それはあまり関係ないです」と笑いながらやんわり否定する。一方で「タニと達が同級生で仲良いですしね」。1997年世代、後輩2人の関係性については、よく知っていたつもりだった。

 谷川原は2023年11月、宮崎秋季キャンプ中に小久保裕紀監督から呼び出され「外野手は剥奪。捕手1本で勝負しろ」と通達された。覚悟は行動となって現れる。中村晃にとっても「プロ野球選手らしくなってきましたよね」と感じるようになったのは、それ以降のことだ。

「タニは何年前かくらい前から、取り組む姿勢が変わったなって思っていました。小久保さんが監督になる年ですかね。来年はキャッチャーでという話が出ていて、姿勢がワンランク上がったような感じはしました。オフにドームで会うことがあったんですけど、タニ変わったなと思った時期はありましたね。そこから頑張ってほしいなと思っています」

 小久保監督も昨年12月、谷川原に「目の色が変わったね」と伝えたのだから、中村晃の印象も重なったのだろう。褒め言葉は直接本人には「言わないですよ」というが「そこからですかね、頑張ってほしいと思っていますよ」というのは偽りのない本音だ。

カメラに向かってピースする谷川原健太【写真提供:西田哲朗広報】
カメラに向かってピースする谷川原健太【写真提供:西田哲朗広報】

 谷川原も、焼き肉を楽しんだ様子。中村晃との食事はかなり久しぶりだったが「緊張はしていないですよ。晃さんの前でも全然ふざけたりできますし、めっちゃ優しいです。あと晃さんは結構“ゲラ”なので、何をやっても笑ってくれます」と意外な一面を明かす。「無口っぽく見えるかもしれないですけど、実はしゃべってくれますよね」と後輩らしい笑顔で信頼感を寄せていた。

 小久保監督からも、中村晃からも認められた姿勢の変化。キャンプ最初の休日を偉大なベテランと過ごし「晃さんはお手本になる先輩です。真似していきたいですし、聞きたいこともたくさんあります」と目を輝かせる。正捕手争いが本格化した2月。「ここで目の色が変わらなかったら終わり」と、周囲の期待を力に変えて、球春を戦っているところだ。

 中村晃は柳町について「達は……(笑)。いつも通りですよ。いい意味で変わらないです」と小さく頷く。柳町本人も「その会について、ですか? 改めて話すってなると難しくないですか?」と、やっぱりなんだかマイペースだった。

(竹村岳 / Gaku Takemura)