廣瀬隆太「A組に行けるものだと…」 筋肉4kg増&体脂肪3%減の激変も…悟った“立ち位置”

廣瀬隆太【写真:冨田成美】
廣瀬隆太【写真:冨田成美】

明かした胸中、受け止めた首脳陣からの評価

 今キャンプからリニューアルしてお届けする「鷹フルリレーインタビュー」。今回登場してくれたのは、今季2年目を迎える廣瀬隆太選手です。前編となる今回は、宮崎春季キャンプをB組でスタートした心境について。23歳は現状に一喜一憂することなく、しっかりと先を見据えていました。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 自身の立ち位置を受け止めることから始まった。2年目の廣瀬は第1クールの練習を終えた。「去年のキャンプは何も分からなくて、ついていくだけで精いっぱいでした。今年はある程度動きとかも分かっているので、自分のことにより集中してできているなって感じがしています」。ルーキーイヤーの昨年とは違い、自身のやるべきことに専念できている。

 そんな廣瀬は今回のキャンプもB組に振り分けられた。同期入団の前田悠伍投手、岩井俊介投手、大山凌投手はA組。「飛躍の年にしたいので、まずは去年の数字を超えることを目標にやっていきたいです」と語る中で、首脳陣の評価は自身が描いていたものとは違っていた。「正直、A組に行けるものだと思っていたので」――。B組からのスタートとなった中で、現在の心境を明した。

「最後にAに居られたらいいと思っているんで、始めは正直どうでもいいです。そこまで落ち込んだりとかはしていないですけど、現状ではそういう評価をされているということはしっかり受け止めて練習したいと思います」

 昨シーズンは5月28日に1軍初昇格。その日の巨人戦に「7番・二塁」で先発出場したが安打は出ず、1軍初安打を記録するまでに17打席を要した。牧原大成内野手や、三森大貴内野手の怪我があったが、辛抱強く廣瀬を使い続けたことは首脳陣からの期待の現れでもあった。

 もちろん廣瀬もその思いに応えようと必死だ。秋季キャンプから自身の打撃を見つめ直した。「体全体を使って振るというか、手だけで振らないということを意識しています。去年の終わりぐらいから徐々にやってきて、馴染んできました」と打撃練習では昨年よりも力強い打球を放つ姿がある。

 一冬を超えて体つきにも変化があった。腕は一回り太くなり、胸板も厚みを増した。「体重は変わっていないですけど、筋量が4キロ増えて、体脂肪は3%落ちました」。オフの間にトレーニングを積み重ねてきた結果は、数字が物語っていた。

「守備もバッティングもどっちも上手くならないといけないです。量をこなして、振る体力、守る体力をつけられるようにやってきました。去年は体力も課題だったので、量を意識してやっていました」

 初めてのシーズンオフは母校・慶大で1人だけで自主トレを行った。先輩選手らとともに自主トレを行う選手もいる中で、自身と向き合い続けてきた。「自分のやりたいことっていうのが結構明確にあったので。自分の課題に向けて1人でやった方が上手くなるんじゃないかなと思って1人でやりました」と充実した時間を過ごしてきたことが自信につながっていた。

 廣瀬にとって、キャンプがB組からのスタートとなったことは良い刺激になった。「結果を出せば1軍には上がれるはずなので、今はいいんです」と真っ直ぐな目で語る。レギュラー争いに加わる準備はしてきた。あとは実戦で結果を残し続けていくだけだ。

(飯田航平 / Kohei Iida)