青森山田高から2016年ドラフト4位で入団した。3年目の2019年にプロ初出場を果たすと、2022年にはレギュラー格として102試合に出場し、打率.257、9本塁打、36打点、20盗塁をマーク。23歳ながらもポテンシャルの高さを見せつけた。
今季は右手人差し指を2度骨折するなど故障に泣かされた1年だった。1軍では25試合の出場にとどまったものの、打率.288、1本塁打、13打点と意地をみせていた。強打に俊足のセカンドとして、将来のホークスを担う人材と期待されていた中で訪れた突然のトレード。三森が本音を明かした。
「8年間、ホークスには本当にお世話になりました。入団していきなり、すごく強いチームでプレーができたのは、僕にとっても大きな財産になったので。その経験をこれからの野球に活かすことができたらいいなと思います」
入団1年目からチームは4年連続で日本一に輝いた。球界屈指の選手層を誇るホークスの中で、日々ユニホームを土で汚しながら懸命に実力を磨いた。1軍に上がると、目に飛び込んだのは超満員の本拠地だった。
「本当に毎日たくさんのファンの方に足を運んでもらって。あれだけ応援してもらっている中で、野球ができたっていうのはすごく感謝しています」。熱い声援に頭を下げつつ、続けて口にしたのは、少しの“後悔”だった。「もっと期待に応えたかったっていうのも正直ありますけど……」。福岡のファンをもっと笑顔にしたかった——。それが偽らざる本音だった。
新天地は未知のセ・リーグに決まった。それでも、これまで培ってきたものを変えるつもりはない。「まだわからないですけど、自分が今までやってきたものをしっかりと出せるように。これからもやっていけたらなと思います」。新たな舞台でも積極的なプレースタイルを貫く覚悟だ。
移籍によって地元の埼玉にもぐんと近くなる。「僕としては久々に関東に戻ってくるじゃないですけど。中学、高校も地元でやっていないですし、そういった面で親もすごく喜ぶんじゃないかなと思います」と笑みを浮かべた。
本職の二塁には侍ジャパンでも主軸を務める牧秀悟内野手がいるが、三森自身は極めて前向きだ。「どのポジションでもいいですし、戦力として期待されるのは本当にありがたいことなので。今まで通り色んな事にこだわることなく、まずは与えられたところで好結果を出していければいいかなと思います」と力を込めた。
これまでも「野球選手は結果を残すことが全てだと思っている」と芯の通った発言をしていた25歳。「これからも野球選手として応援していただけるように僕自身も頑張れるので。変わらぬ声援をよろしくお願いします」。第2の野球人生もしっかりと地に足をつけて進んでいくつもりだ。