自由獲得枠で入団の和田が抱えた一抹の不安「途中で変わらないよな…」
24日に開かれる「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。鷹フルでは選手に自身の“ドラフト秘話”を明かしてもらいました。今回は和田毅投手、石川柊太投手、岩井俊介投手が登場。まさかの“勘違い”でぬか喜び、12球団の監督を丸暗記……。今だからこそ明かせるエピソードが満載です!
●和田投手(早大から2002年ドラフト自由獲得枠で入団)
――自由獲得枠で入団。ドラフト当日はどういう思いで迎えた?
「本当に呼ばれるのかなと思っていました。(指名は)決まっていたんですけど、本当に途中で変わらないよなとか。それはゼロではなかったです。もちろんダイエーを逆指名させてもらっていたので。(名前を)呼んでもらえるだろうとは思っていましたけど。本当に呼んでもらえるのかなって。100(%大丈夫)だとは思っていましたけど、急に変わることもあるのかなとか。どこのチームになるのかなっていう不安はなかったですけど」
――実際に名前が呼ばれた瞬間はほっとする。
「そうですね。ほっとはしましたけど、ここからまた厳しい戦いというか、またゼロからスタートするんだなって。学生時代の成績とかっていうのは一切なくなって、プロ1年目として、ルーキーとしてゼロからスタートさせないといけないんだなっていうのは思いましたね。その中でどうやって1年間戦っていくのかとか。また厳しい戦いが始まるんだなっていう思いになりましたよね」
――当日にこんなことを聞かれるのかな、何を話そうかなって考えたことは?
「いや、特別にはなかったですね。プロでの目標とか聞かれるのかなとは思いましたけど。そこは、1年間ローテで投げて、新人王を取りたいっていうのは決めていたというか、目標にして大学4年間はやっていたので。それができるくらいのレベルで1年間を終わろうと。大学4年をそれくらいのレベルで終わろうっていう気持ちだったので。そこはブレなかったですね」
――前日に髪を切ったりとかは?
「それはしてないと思います。前日にはしてないと思います。前日じゃなくて、1週間前とかに髪を切っていたかもしれないですけど。前日に切った記憶はないです」
――普段通りのルーティンで髪は切った?
「(髪が)伸びていたら(切ろう)と思ったかもしれないですけど、あまりそういう気持ちはなかったですね。伸びすぎていたら切ろうかなと思ったかもしれないですけど、記憶はないです。前日に切った記憶は絶対にないですね」
――プロに入ってからもドラフトは気になるもの?
「そうですね。やっぱり、うちのチームにどんな選手が来るのかなっていうのはね。報道とか新聞とかでも。今はネットですけど、どの選手が目玉だとか、どの人がすごいとか。甲子園で活躍した選手がどこに行くのかなとか。そういう感覚で見ますけど」
――リアルタイムで見ることもある?
「(ドラフト会議が)夕方からだから、シーズンも終わっていますし。今年は日本シリーズがありますけど、昔は全部が終わってからやっていたと思うので、なんか見てた記憶はありますけどね」
――一番記憶に残ってるドラフトは?
「やっぱり僕らの時のドラフトが一番記憶に残ってますね。同級生がどこのチームに行くかとか。逆指名の選手はある程度分かりましたけど、他の同級生とか、社会人に行った先輩もそうですし。そこは気になりましたね」
●石川投手(創価大から2013年育成ドラフト1位指名)
――ドラフト当日はどういう気持ちで迎えた?
「あんまり覚えてないですけど、(大学に隣接していた)監督さんの家で、監督とコーチと、監督の奥さんと見ていて。調査書が来たのがホークスを含めて3球団だったんですよ。それで、やっぱり下馬評的にも、自分は(大学)3年の最後らへんから投げていたから、実績もなかったので。(指名が)あっても育成かなみたいな感じでずっと待っていたんですけど。で、ずっと(指名が)ないわけですよ、ずっと。それで、日本ハムの(ドラフト)8巡目だったかな。『選択希望選手、石川……』って聞こえて。それでみんな『うおーっ』ってなったんですけど、そのあとに『亮、帝京高校』って(現オリックスの石川亮捕手)。『誰?』みたいになったっていう話はありました」
――苗字が最初に呼ばれるから勘違いした。
「そう。それで盛り上がって、『なんやねん』みたいな感じで。それで支配下が終わって、育成でホークスに選ばれたっていうのは、ドラフトの思い出ですね」
――やっぱり、いろんなドラマがある。
「そういうエピソードはありましたけど、そもそもはそんなに上位指名を待っていたわけでもないので。育成(指名)があればいいね、と思っていたので。どちらにしろ、育成で入ることに対して、自分はそんなに不安とかっていうのはなくて。(プロに)行けるだけ行って、ぐらいに考えていたし。ダメだったら独立(リーグ)だなって感じで。社会人とかもセレクションに行って落ちたりしていたので」
――とはいえ、支配下の指名が終わって少し気持ちが落ちたりは?
「いや、『ここからだね』みたいな。そっち(育成指名)狙いというか、そっちがメインみたいな感じだったので。当日にドキドキとかも特に。何年も『今年も(指名が)ない、今年もない』とかやっている人とは全然マインドは違ったので」
――高校卒業のタイミングで志望届は出してない?
「もう全然(出していない)。野球エリートではなかったので。創価大は強豪の部類には入るかもしれないですけど。高校の時は全然あれなので。別に自分に対してそんなに自身があったわけじゃないし、それなりの成績を出していたわけじゃなかったので。1つの通過点っていう意味でのドラフトでしたね」
――記者は来ていた?
「大学の記者だけですね。前年(2012年)に小川(泰弘)さんが(ヤクルトにドラフト2位で)選ばれて、(現くふうハヤテの)倉本(寿彦)さんが選ばれなくて。小川さんで盛り上がっていたのを見ていたなって記憶はありますね」
――プロに入ってからもドラフトは見ている?
「見ますね。いくら若いとはいえ、いい球を投げているなとか、そういう目線で見るので。そういう目線でアマチュアを見ながら、やっぱり上位指名だったんだみたいな。よかったもんなーとか。ある意味、答え合わせみたいな。後は、球団によってどこを補強したいんだろうなとか。そういう編成的なところの目線で見ちゃうというか。即戦力を取ったってことは、あいつら信用されてねえのかなとか。うちの球団もそうですし。チームとして、ここが(補強を)やらないといけないんだなとか。左ピッチャーいっぱい取るやんとか、右の即戦力ピッチャーめっちゃ取るやんとか。そういう目線で見ていたりしますね」
●岩井投手(名城大から2023年ドラフト2位指名)
――ドラフトの思い出は?
「ドキドキマックスでした」
――人生でもトップクラスの?
「トップっす」
――前の日に寝れないくらい?
「いや、それは普通に寝たっす」
――緊張はいつから?
「中継が始まってからですね」
――名前が呼ばれたときは?
「マジでほっとしました。嬉しかったです」
――やっぱり指名されなかったりとか考えたりはする?
「します、します。考えましたね」
――前日に髪を切ったりは?
「あー、行きましたね。呼ばれた時にキレイに見えるように」
――ドラフトが終わって、ほっとして泣いたりとかは?
「僕はしなかったっす。(DeNAに2位指名の)松本(凌人投手)は泣いてましたけど」
――マスコミが大勢来た経験もなかった?
「初めてでしたね」
――ドラフト前にやっていたことは?
「監督の名前を全球団覚えるようにしました」
――ちなみに何人くらい新たに覚えた人がいた?
「ほぼほぼ分かっていましたけど、前の監督(の名前)を覚えちゃっていたりとかはありましたね」
――どうやって予習した?
「松本とか、監督がいたので。その人たちと確認してたら『(名前が)違うぞ、お前』みたいな。当日にやりましたね」
――今年のドラフトは気になる?
「気になりますね」
――これまでにもドラフトは気になっていた?
「見てましたね。先輩とかも志望届を出していたので、それで見たりしてましたね」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)