「初回から殴り合い」「5連投でもバッターを制圧する」…オスナ、石川、尾形が語る“CS”の違い

ソフトバンクのロベルト・オスナ、石川柊太、尾形崇斗(左から)【写真:栗木一考、荒川祐史、矢口亨】
ソフトバンクのロベルト・オスナ、石川柊太、尾形崇斗(左から)【写真:栗木一考、荒川祐史、矢口亨】

16日に始まるCSファイナル…先発、クローザー、若手に聞いた大舞台への意気込み

 クライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージが16日に始まります。4年ぶり日本一に向け、ホークスの選手は調整を続けています。今回はCSでも好投が期待されるロベルト・オスナ投手、石川柊太投手、尾形崇斗投手に直撃。大一番に向けて、三者三様の意気込みを伺いました。

ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真:栗木一考】
ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真:栗木一考】

○オスナ投手

——レギュラーシーズンとポストシーズンでは気持ちが変わってくる?
「やはり違いはありますね。メジャーリーグ時代に言われたのは、『プレーオフは気持ちが違う』と。日本の場合とはまたちょっと違うんですけど、みんなそこに向けて頑張ってきましたし、自分たちだったら最初のステージで3勝すれば次に行ける。リーグ戦だったら100勝を目指してやっていきましょうというような気持ちでやっているので。実際は結構違いますね」

——やはり緊張する舞台なのか、吹っ切れて楽しめるのか。
「もちろんプレッシャーはかかります。でも、その時に出てくるアドレナリンは自分を助けてくれるので。どんどんやっていけるという感じはあります。もちろん1敗というのが、シーズン中のものとは全く違うので。大きなプレッシャーはありますけど、アドレナリンが出ることによって自分のプレースタイルとか、クオリティーも上がっていくと思います」

——CSでも9回に投げたいという思いか。
「もちろん9回を投げたいという気持ちはありますけど、一番の目標はチームをサポートすること。監督が必要だと言ってくれれば、初回でも3回でもいきますし、9回の最後もいきます。自分としてはチームが勝つためにどこで投げるか。小久保(裕紀)監督も自分をどこで使えばいいのかというのは一番わかっていると思うので。それに従っていきたいと思います。小久保さんの判断に自分たちはリスペクトを込めて投げていくというのが一番です」

——CSで気を付けるべきところは?
「気を付けることはすべてですね。全部を気を付けていきたいと思います。コンディションもそうですし、メンタルもそうですし。相手バッターを仲間のピッチャーがどう抑えているのかもそう。シーズン中だと1敗しても次の日に勝てばいいと関係ないですけど、プレーオフは勝ち続けないといけないので。少しずつのことですけど、すべてを注意していかないといけないですね。」

ソフトバンク・石川柊太【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・石川柊太【写真:荒川祐史】

○石川投手

——レギュラーシーズンとCSの違いはどこに感じる?
「ベンチ裏の人も含めて全員が気合が入っているっていうわけではないじゃないですか、シーズン中って。今日はやる気でないなとかもあるし。でも、CSになるとグラウンドに出ている選手だけじゃなくて、裏の人たちの空気感。それこそ記者の方の空気感とかも、自分の中では奮い立たせてくれるものだなと。選手だけじゃなくて、裏の人たちの空気感も含めて、そこが一番違うのかなと。普段が悪いとかじゃないですよ。より強いっていう。自然と気合が入るというか、乗っていかされるみたいな」

——投げていて気持ちいいところもある。
「ワクワクする部分はありますよ。特に日本シリーズとかはいつもと違う試合の流れだったり、(イニング間に)CMを挟んだりもありますし。興行感があるというか。試合を見せている感じですかね」

——見られている感覚がより強い。
「注目度が違うので。楽しい部分ではありますね。試合でもどんどん(投手を)つぎ込む展開もあるじゃないですか。そうなってくるとピッチャーもダメだったらぱっと代わってしまう現実があるので。シーズン中はやっぱり中継ぎ陣を休ませたいとか、打たれてローテを外されたらどうしようとかありますけど。ポストシーズンは短いので。総力戦みたいなところが醍醐味があるというか」

——ポストシーズンでの登板は楽しめる部分もある。
「より一層楽しめるというか。CSは殴り合いみたいな。後先考えずに初回から全力で相手を殴るみたいな感覚はありますよね」

——CSで気を付けないといけない点は?
「やっぱり力技でいかないといけない。甘いところにいかないようにするとかじゃなくて、シーズン中とは違った球の強さ、キレを調子が悪かろうが出すしかないので。その日に調子が悪いからまとめようじゃなくて。向こうも集中してくるし、いつもなら(打率).280のバッターが.310くらいの集中力でくるわけじゃないですか。それがやっぱり序盤からあるので。そこを上回るには、どれだけ気持ちを(ボールに)乗せられるかなので」

ソフトバンク・尾形崇斗【写真:矢口亨】
ソフトバンク・尾形崇斗【写真:矢口亨】

○尾形投手

——CSを1軍で迎えるのは初体験となる。
「僕にとっては特別なものにはなると思うんですけど、マウンドに上がって自分がする仕事に関しての思いは変わらないです」

——CSの雰囲気などをほかの選手に聞いたりはした?
「直接聞いたりとかはないですけど、色んな選手のプレーオフでのピッチングとか見てますね。例えばオスナのブルージェイズ時代のピッチングを見たりはします」

——CSをどういう舞台だと想像している?
「緊張感や、かかるプレッシャーなんかはもう一段階大きくなると思いますし、戦い方も変わると思うので。そこにどれだけ対応できるか。この場面でいってくれと言われても、『えっ?』とか『よっしゃ!』とか思わずに、ただ仕事に入っていくという準備をいかに同じようにできるかは大事なのかなと思いますね」

——今季は優勝が近づく中で、勝ちパターンとしても投げてきた。その経験が生きそうか?
「そうですね。やっぱり優勝が決まった試合とか、追い詰められた状況でイニング途中から出て行ったりとか。自分にとっても自信になっているし。ただ、それが過信になることもなく、しっかり足元を見つめて今できているので。そうやって登板を重ねていければと思います」

——投げる展開も様々になってくる。
「場面は関係なく、僕はバッターを制圧してチームに流れを持ってくることを(首脳陣は)期待して、マウンドに送ってくれていると思うので。それはどの展開でも、どんな点差でも、4連投でも5連投でも、同じようなピッチングができるようにしていければ最高かなと思います」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)