CS見据えたオスナ起用が裏目…逆転負けにも首脳陣は平静「結果は求めていないので」

ソフトバンク・小久保裕紀【写真:荒川祐司】
ソフトバンク・小久保裕紀【写真:荒川祐司】

最多勝のかかった有原が8回1失点の好投も…オスナが3失点で逆転負け

 ソフトバンクは27日、西武戦(みずほPayPayドーム)に4ー2で敗れた。1点リードの9回に登板したロベルト・オスナ投手が4安打を浴びるなどして3点を失い、逆転負けした。先発の有原航平投手は8回1失点の力投をみせたものの、リーグトップに並ぶ14勝目を挙げることはできなかった。打線は初回に栗原陵矢内野手の適時打で幸先よく先制したが、西武投手陣の前に2得点を奪うのが精いっぱいだった。試合後に取材対応した小久保裕紀監督、倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)のコメントは以下の通り。

小久保裕紀監督

——オスナ投手が3失点と崩れた。
「球はそんなに悪くないと言っていましたけどね、拓也(甲斐)が。結果は求めていないので。ただ、有原の最多勝がかかっていたから、それはあれですけど。一番合わせるのはクライマックス(シリーズ)なので」

——最多勝のタイトルも考慮して、8回まで続投させた。
「本人が8回までは行くって言っていました。中5日なんですけど、タフですね。あとはイニング数の目標があって、180イニングまでもう少し、と。あと1回登板があるので」

——有原投手の白星のためにも攻撃では犠打を使ったり、なんとか1点を奪いに行った。
「そう。(普段の)シーズン中よりもバントが多かったね」

——短期決戦でも、そういった1点にこだわる采配になる。
「でもバントしたから(点が)入るのか。そのまま打たせていたら2ランになるかもしれない。検証のしようがないので。今日はそう思ってやりましたけど。毎回言うように、両方(バントさせるケースとさせないケース)同じように進んでいたら検証もできるけど、わからないです」

——牧原大成選手も攻守で活躍が光った。
「今日は牧原大の守備でね、あの失点で収まったと思います。9個か10個は(打球が)飛んできていましたね」

——緒方理貢選手も、スタメン起用で安打を放つなど仕事をこなした。
「セーフティバントも上手く決めて、四球も取ってね」

——1番で起用した川村友斗選手のところで、走者が溜まって回ってきた。
「でも初回はね、(二塁打を放って)切り込み隊長として(の役割を)やってくれたので」

——ポストシーズンでは、オスナ投手が守護神で落ち着くことを目指して調整させている。
「もちろんです。そのために今、準備させているので」

●倉野投手コーチ

——有原投手はさすがのピッチングだった。
「はい、そうですね。」

——オスナ投手が乱れた。
「久しぶりの連投というところはあったかもしれないですし、クライマックス(シリーズ)までにはしっかり状態を上げてもらうというところですね」

——オスナ投手の状態はどれくらい上がってきているのか。
「70、80(%)くらいかなとは思いますけどね」

——レギュラーシーズンの残りで何度か投げて、CSの起用法などを判断していく。
「使い方はあまり……。監督が最終的に決めることなので、僕が決めることではないですし。今言えることは、オスナがクライマックスシリーズで100%の状態に持って行ってもらうということだけですね」

——現状ではCSに間に合いそうか。
「間に合わないとダメでしょう。間に合いそうかではなくて、間に合わないとダメです」

——ゲームに投げ続けることが重要になる。
「そうですね。ゲームが一番の、状態を100%に持っていくための方法だとは思います。例えば練習で投げ込みしてというのは、全く関係ないと思います」

——ファームでの試合も有効活用していく。
「ファームの試合を使うかは分からないですけど、実戦練習もこっち(1軍)でやりますし、そういうのを利用して(状態を)上げていきたいと思っています。」

——CSに向けて連投テストの意味合いもあったのか。
「連投テストということはないですね。連投はしてもらうんで。クライマックスシリーズになったら。テストということではないです。投げられる状態だったから投げてもらったということですね」

——出力の面では上がってきている?
「上がり続けているということはないですけど。当然波はあるので。こっちに戻ってきて初めて投げた時よりは明らかに出ていますよね」

——残り20〜30%は制球面の部分か。
「全体的にですね」

——石川柊太投手が出場選手登録を抹消された。ファームで調整登板をする形になるのか。
「いろいろと考えてはいます。全く投げずに(CSへ)臨むということはないです」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)