近藤健介は「痛いって感じじゃなくて…」 首脳陣5人を直撃…“代役”に挙げた2人の名前

右足を抱え悶絶するソフトバンク・近藤健介【写真:栗木一考】
右足を抱え悶絶するソフトバンク・近藤健介【写真:栗木一考】

試合後に小久保裕紀監督も不安そうな表情…「今のところは情報なしです」

 首脳陣5人が“緊急事態”の舞台裏を語った。ここまでチームをけん引してきた「大黒柱」が二塁付近で立ち上がり、放った一言とは――。具体的な“代役”の名前まで挙がった。

 ソフトバンクは16日、オリックス戦(京セラドーム)に1-0で勝利した。4回2死で二盗を試みた近藤健介外野手がアクシデントに見舞われた。右足を痛めたとみられ、治療のためにベンチへ戻った。プレーは続行したものの、7回無死の打席で代打を送られ、途中交代。その後に病院を受診した。ここまで5番打者として全試合に出場し、打線を引っ張ってきた大黒柱に離脱の可能性が生まれた。

 小久保裕紀監督、奈良原浩ヘッドコーチ、村上隆行打撃コーチ、村松有人打撃コーチ、本多雄一内野守備走塁兼作戦コーチに、アクシデントが起きた瞬間について直撃した。首脳陣5人のコメント全文は以下の通り。

○小久保監督

――2試合続けて投手陣が無失点リレー。
「もちろん。よく頑張ったですね」

――石川投手が7回無失点の力投。
「中5日でね。今年一番くらいの球が来ていた気がしますね」

――ポストシーズンの先発5番手争いに加わってくる?
「それはまあ、もう少し先の話なので。とりあえずマジックがゼロになるまではですね」

――8回はロベルト・オスナ投手が登板した。
「オスナは勝っても負けても8回なので。そこは先を見据えています。オスナに関しては」

――石塚選手が7回1死二、三塁で代打として登場し、左犠飛を放った。しっかり結果を残した。
「選択肢として、(野村)勇をスタメンで(起用したのに)3打席目で代えるのもなと思ったけど……。ちょっと2打席目までの内容を見ると、もう(代打の)作戦しかなかったので。石塚は三振しない子なので。そのあたりに託しましたね」

――近藤選手の状態は心配。
「ちょっと明日になってみないと分からないです。正直、今のところは情報なしです」

――本拠地で優勝の可能性も高まってきた。
「そうですね。ただ、どちらにしても近藤の状態がすごく気になるので。戦列を離れるようなことにもしなれば、また全部練り直さないといけないので。無事を祈るばかりです」

――杉山投手がプロ初セーブをマーク。
「そうなん? 今は杉山が一番安定しているので。全然、安心してます」

――今後も抑えの投手起用は流動的に。
「基本は(ダーウィンゾン)ヘルナンデス(投手)。今日はヘルナンデスを投げさせる予定はなかったので」

○奈良原コーチ

――近藤選手の姿を見て最初に何を思った?
「結構痛がってたから、大事(おおごと)になっていなければいいよなと思いましたけどね」

――奈良原コーチもベンチを飛び出していった。
「『痛い!』みたいな感じじゃなくて、結構『むぅ』(表情をゆがめて)って感じだったから」

――膝をついて歩けなかった。
「膝とかちょっと痛めている経緯もあるし、万が一、大事(おおごと)だったらね。戦列を離れなきゃいけないのだけはちょっとキツいなっていう」

――駆け寄った時に近藤選手はなんと言ってた?
「『どこよ?』って言ったら、その箇所を。『でも大丈夫そうです』みたいな。とりあえず1回(ベンチに)帰って、固定して行けそうかどうか判断しようっていう話をしました」

○村上コーチ

――近藤選手の姿を見て最初に何を思った?
「もうヤバいな、だけですね。重度になってほしくないなっていうだけです」

――怪我の現状は?
「まだわからないです。強いんで、彼。彼は強いんで、できるところではあると思いますけど……」

――ベンチに下がったが出場を続けた。
「『行きます』って言っていたので。無理させてもというところもあるし」

――走ってはいたが足首を痛めた?
「そうですね。でも詳しいことは僕もわからないので、連絡待ちです」

――もし明日、近藤選手が出られないような状況になったとしたら、チームにとって大きい。
「でも、いる選手でやらなきゃいけないので、そこは。そこのカバーはできないと思いますけど、いる選手でまたホークスの野球をやるっていう形を組めれば。(打線は)寝ずに考えます」

○村松コーチ

――近藤選手の姿を見て、最初にどう思った?
「いやいやいや、やばいんかなと思って。だいぶ痛がっていたんで。大事(だいじ)に至らないと思うんですけど。まだ病院に行ってるんでわからないです」

――優勝目前で抜けられるのは苦しい。
「そうですね。だけどやるしかない。いるメンバーでやるしかない。そうなったらそうなったで、やるだけです」

――村上コーチは寝ずに打順を考えると言っていた。
「打線は村上さんが全部考えているんで。ある程度限られていますけどね。柳町で行くのか、石塚で行くのか、というところだと思うので」

――栗原選手を5番にすることも考えられる?
「そこはまだ全然わからないです。村上さんが決めるので」

――柳町選手か石塚選手が近藤選手の代わりの候補ということ?
「穴を埋める候補として考えらえれますね」

○本多コーチ

――近藤選手の表情はいかがでしたか。
「表情は痛そうでした。プレー中の怪我ですけど『時間が経てば大丈夫』と本人も言っていたので。時間を置くことで(痛みが)引くこともありますし」

――得点のため、チームのために二盗を狙った。柳田悠岐選手が離脱してしまった時も仰っていましたが、そういう姿に、主力選手として感じるものはある?
「チームとして次の塁を狙うのは当然のこと。近藤だから、柳田だからというのはないです。全員で優勝しないといけないので。主力がどうしても目立ってしまいますけど、怪我をしたのが柳田であったということです。それが誰であっても、野球人としては当然のことだと思います」

――本多コーチは、二塁近辺から近藤選手に肩を貸して、一緒に戻ってきた。
「ちょっとは楽になるかなと思ったので。こっち(右足)を浮かせて、支えになればと。重心がかかれば痛いと思ったので」

(竹村岳 / Gaku Takemura)